仕事場に友達がやってきて一緒に帰ろうというので、久しぶりに一緒に帰る。そうだ、そういえばいつだったか後輩からこの近くにジャズの店がありますよ、と聞いていたので、そこに寄った。上がってみたらなんとアナログのレコードがどう見ても1万枚以上がぎっしりと入っている。しかもお客はおじさんがひとりいただけで、私たち二人が入ったら、そのおじさんが帰ってしまった。つまり、私たち二人の貸し切り状態。Duke Jordonが先日死んだばかりだというので、かけてもらってビールを呑む。さんざんあれでもない、これでもないとかけてもらっていても誰も来ない。元はといえば日本橋の三越の前にあった喫茶店だったのだそうだ。しまいにカウント・ベーシーだ、オスカー・ピーターソンだ、マイルスだとさんざん聴かせてもらった。こんなところにこんな店があっただなんて。
ビールを呑んでいたのではあるがつまみが何かあるわけでもないので、腹が減り、友人がどうしてもラーメンを食う、というのでこれまた誰も客の居ないラーメン屋に入ったがそこでは正調の演歌がかかっており、今日は正調のジャズと正調の演歌に触れ、なんと正調でないのは、自分の生き様だけだなぁ、と深く頭を垂れるのであった。
