ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

大人のストリート・ミュージッシャン

 最近またいわゆる盛り場ではストリート・ミュージシャンが盛んな様子である。南米系の人達は結構いろいろなところで見かける。あれは機材の点でも、とても素人とは思えない。ジャズ系の人達も結構見る。新橋駅のガード下にもひと頃良くいた。ドラムセットがちゃんとあり、発電機でアンプまでならしている。相当大がかりである。かわいらしい女の子二人がアコースティック・ギターを抱え、譜面台におしゃれな刺繍をした布をかけて、あたかもサークルがキャンパスで唄っている様な案配だったりする。とはいえ、若い男の子たちがその大勢である。私がいたことのあるオーストラリアのシドニーでは地下通路や公園なんかでいい歳をしたおじさんが一人でスクリーン・ミュージックを流麗なるハモニカで吹いていたり、バイオリンを奏でていたりする。タズマニアのホバートでは毎週土曜日にサラマンカ・ストリートがマーケットになる。そこでは、中学生とおぼしき少年たちが、それ風のスタイルをして、豪州風テンガロン・ハット(米国流とは明らかにスタイルが違う)を被り、バンジョー、ギター、フィドル(バイオリン)でカントリーを奏でているかと思うとギターを弾いている大人がいる。そこで出会ったのがケアリー・ルインキャンプであった。彼は今年既に三度目の来日公演をしていて、日本にも密かなファンがいる。もっと日本の音楽市場で評価されて良い、ほとんどオリジナルを奏でるソロ・ギタリストである。日本でも、もっともっと大人のストリート・ミュージッシャンがいても良いと思う。しかし、本当にどんどんそんなことをしたら多分そんなことになると道路交通法で取り締まられてしまうのだろう。そういえばかつて東京都が募集して許可した自治体公認のストリート・ミュージッシャン制度があったけれど、あれはいったいどうなったんだろう。尤も、地下鉄通路の一角に場所を定められて、そこに座布団を持ってきて、長唄を詠っているところを見た時にはやっぱり、「お上お誂え路上公演」はなんだかあか抜けないなぁと思った。
 先日、道路に面した友人の家を開け放して、友人三人で主夫婦の帰宅を待ちながら呑み、且つギターを弾いて、コンガを鳴らしてビートルズを唄っていた。するとそこに通りかかった40代とおぼしき二人連れが足を止めて聴いていて、一曲終わると同時に拍手をしてくれた。とても嬉しかった。あれはきっとクセになるんだろうと確信した。新宿駅の西口にかつてのような具合に、当時の若者たちが集まって「♪ともよぉ〜、よあけまぁえのぉ〜」と歌い出したら、西口交番はどうするのだろうか。そのまま検挙するのだろうか。それともまぁまぁと見逃すのだろうか。今の政府だと、やっぱり許さないのだろうなぁ。あ、しまった。これもひょっとすると共謀罪で検挙されてしまうきっかけとなるか!?