ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

ちいさんぽ

 今日は東上野(なんちゅう詰まらん町名を考えたことであろうか。こういうことをした役人は誰なんだ?)を歩いていたけれど、同潤会アパートのあたりの長岡製作所で、プロ用の箱カメラを見る。なんと、指物師の技術がこうした木製箱形カメラを支えていたんだとは。確かにあのあたりには指物師の方が多く住んで仕事をしておられるのを知っている。デジカメの時代になって人がこうしたカメラに戻って来つつあるのだという。こちとら1.6万円のデジカメすら使いこなせない。もっと便利になったはずなのに。
 地井武男が着ていたボタンダウンのピンクのストライプシャツがまるでUNIQLOのシャツにそっくりで、「あぁ、とうとうUNIQLOのシャツもこうした番組で着られるようになったのか」と思ったら、胸に何かPOLOのような刺繍があって、あぁ、やっぱ庶民とは違うんだね、とがっかりした。
 住居表示に関する法律(住居表示法)(昭和37年5月10日法律第119号)最終改正:平成11年12月22日法律第160号に基づいているのが町名変更の基礎になっているのだそうだ。「小林孝博の東京学へのいざない」にこの法律の根拠がとてもわかりやすく説明されている。町名変更による江戸文化の破壊についても説明されている。ちゃんと反対した地元の話も出ている。私の記憶では町名が変更された頃、私たちはお上によるお達しだと思っていた。しかし、「そんなのは乱暴だ」として反対行動を起こして阻止した地元の存在を聞くと、そうかぁ、そんなことができるんだったのかぁと思う。台東区田原町なんて、銀座線の駅名にしか残っていない。ちょっと前まで駅がある交差点にも田原町と標記されていたんだけれど、今ではそれも変えられてしまった。わずかに残っているのは三社祭の時の町会名だけだ。彼らの半纏には今でも「田原町」と標記されている。今の町名ではいったいどこいら辺のことをいっているのかがわからないよなぁ、とは思うんだけれど、それは歳のいった世代がいうことなんだろうか。今の若い世代は、必要としていないのだろうか。この素っ気なさが人間性をも素っ気なくさせる多くの要因のほんのひとつにでもなっていないだろうか。合理性に憧れた時期もあったけれど、今ではじめじめしていても、どろどろしていても不合理も人間であるが故なんだよな、と思いたいという様になってきた。