風

　夜遅くになって大変に強い風が吹く。まるで赤松の林の中に入っているように窓の外を通り過ぎる強い風がひゅーひゅーとうなりを立てて通り過ぎていく。抵抗する奴はゆるさんぞ、とでもいっているかの如くである。これで、桜の花びらはあたかも吹雪の雪片のように飛びさるのだろうか。集合住宅の上の階まで花びらが飛んでくる。