ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

こんな程度か

 こちらの大学の教員の方のブログ経由で「2006年10月20日(金)の都知事記者会見」を知り、東京都民の皆さんが三度選んだ、不良小説とはいえ、その作家だった人が図書館の司書についてこんな低次元の認識をしているのを目の当たりにしてしまい、いよいよもって首都だか帝都だかしらんが、こんな奴に任せることを選んだ市民が情けない。

【記者】都立図書館の司書について伺いたいんですが、今、136人いるんですけども、2007年問題団塊世代の司書が大量退職して、この5年で半分の68人ぐらい定年になるんですけども、一方で20代の司書というのが1人もいないんですけども、ちょっとこういう現状になっていまして、せっかく作家である石原さんが知事をやっているので、こういった文化行政の衰弱というのはあまり好ましくないんじゃないかなと思うんです。2002年度から新しい司書を採用していないんですけども、そういう意味で、若い世代の司書を育てるという意味でも、早急な採用の再開とか…。
【知事】図書館の司書ってのは、どんな仕事をするの。(← 一橋大学では図書館はそんなに機能していなかったのかねぇ・・。)
【記者】レファレンス業務といって…。 
【知事】(あ、やっぱりこの時も遮っちゃうんだねぇ・・。)ある図書館なんか、外国でも日本でもそうですけど、身元がしっかりしてたら、オートマティックに本を借りられるシステムになっていますよ。どの本がいいか悪いかということを司書に相談する読者なんて、ほとんどいないと思うんだね。私は司書の仕事っていうのは、何も若い人だから非常にサービスが行き届かないってものじゃないと思うけど、今の時代に人間を配置しなくたって、オートマティックに本を借りられりゃいいじゃないですか。自分が選ぶってのは、自分で自分を選ぶって、その読者の感性なんだから、そこまで司書が指導することもないし、できたものでもないし、そんな業務、果たしてなかったと思うしね。この時代に、人手が足りなくなってきた。私はやっぱりそう思うけど、その中で人件費を払って、旧来の何ていうのかな、図書館作業というものを人を雇ってするような時代じゃないんじゃないかな。本は本であるんだから。

 知らなきゃ、「知らないんで今度よく勉強しておくよ、次回にまた話したい」とでも対応したら良いと思うのにねぇ。首長の認識がこんな程度なんだから東京都の図書館に対する、あるいは生涯学習に対する(それは言い過ぎだろうか)認識の低さは嘆かわしいを通り越していることはおおよそ想像がつこうというものである。それでも広尾の中央図書館のレファレンスには随分御丁寧な方がおられた記憶だが、そういわれてみるとあの方もそろそろ定年かも知れない。都民カレッジなんて石原になるや否や廃止されちゃったしね。今こそあの企画は必要だろうに。