ほぼ足りてまだ欲 その先

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金子みすゞ

 ラジオ深夜便で昨年の10月に放送した「金子みすゞの娘が語るみすゞ」の再放送。実は私はこの童謡詩人を避けてきた。なんだかその騒がれ方に新興宗教のような狂信性が匂っていたと感じていたからである。書店の店頭に彼女の詩集、あるいは関連本があふれんばかりに積み上げられた時には何とかの科学の書籍のように感じていたことがある。今日の放送でいくつかの彼女の詩の朗読に触れてみると、それは余計なものを排除した結果としての純粋の詩であったためなのか、このみすゞという詩人が、いやひとりの女性がなにかを思うたびに、それを頭の中で見つめてなにかに置き換えていたところを思い浮かべる。きっと自分の心を見つめるという力をもっていた人なんだとちょっと羨ましい。