ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

あいつの高笑い

 コムスン厚労省からかなり手厳しい処分を受ける、というニュースが昨日駆けめぐったと思ったらもう既に次の手を打つというのは、かなり攻めの姿勢に出てきているグッドウィルらしい行動だけれども、こりゃ社名とは大きくかけ離れた意図のもとに動いているという気がする。あそこの経営者にヨイショしてきた皆さんに、深く反省を求めたい。彼のやっていることは正義に対するチャレンジであるといってしまう。
 「コムスンの事業を同グループ連結子会社日本シルバーサービス(東京都目黒区)に譲渡する方針を決めたと発表した。厚生労働省は法的には問題ないとしている。事業がそのまま譲渡されれば、約6万5000人へのサービスは継続されることになるが、同省による処分が骨抜きになることになり、意義が問われそうだ(Asahi.com2007年06月06日)。」と書いているようにまさに骨抜き処分。
 「日本シルバーサービスは、有料老人ホームなどを展開するGWGの一員。もとはコムスンの子会社だった。それが今年5月、GWGで人材派遣業を担う「グッドウィル・プレミア」(旧クリスタル)の子会社プレミア・メディカルケアのグループ会社となった(引用元同上)。」というのだけれどもこの社名はいつだったかいい加減なことをして利用者を放り出した有料老人ホームの経営母体の名前に随分似ている。クリスタルの介護は、例の林某が経営していたもので最近GWGに売り飛ばしたものだ。
 「GWG広報IR部は「グループ内での事業譲渡でも法人は変わるので、今回の処分の対象にはならないと考える。利用者へのサービス継続のため決断した。厚生労働省の理解も得ており、問題はないはずだ」としている」と上記記事は告げているのだけれども、そのすぐ下に「同省老健局の古都賢一振興課長は「コムスン側から連絡はない」としたうえで、「譲渡先がグループ会社であっても法的には問題ない。譲渡先が新規指定の申請をすれば、都道府県が審査することになるが、コムスンの役員が入るなどしなければ欠格事由とはならない」と、事実上容認する姿勢を示した」と書かれている。法令上はGWG-コムスン組の勝利宣言となるという訳なんだろうか。こんなことを厚労省がこのままにしていくのだとしたら、抜け穴をどんどん探した奴の勝ちということで、どんなことをしても良い、ということにならないのか。このやり方はなんだか堀江、村上といったあの辺のおっさん・にいちゃん組が得意とする方法論のような気がする。
 実は介護保険が始まってしばらく経った時にケアマネが金ほしさに利用者を殺害するという事件が起きた時にも思ったことであるが、この分野の法制改革が行われた時に、それまで措置、あるいは善意、チャリティーといった概念がベースにあって機能していた世界に、定着していない「契約」という概念を無理矢理持ち込むことに抵抗があったのと同時に、利益を上げるという企業の参入には無防備であることに大きな疑問があった。つまり、契約という概念は「性悪説」に基づいて全てを規定していく。もしお前がこれを実行しなかったらこうするぞ、と規定していくシステムだ。しかし、これまでの介護分野は「性善説」に成り立ってきたのだ。ここを厚労省、政策論研究者はハッキリと解明してきただろうか。
 グッドウィル折口雅博の高笑いが聞こえてくるようだ。くそっ!
 和歌山の仁坂知事は「法の制裁を逃れようと考える人間が、福祉事業に手を出しているのはおかしい」と述べた(2007年6月7日13時18分 読売新聞)と伝えられていて、その記者会権の模様が各テレビ局のニュースで流されていた。感情的にはわかるのだけれども、法的にそれでも手を出せることになっているんだなぁ、これが。県知事の権限を最大限に生かしてくれることを期待する。それに引き替え神奈川県知事は別にいいんじゃないの方針のようだ。