ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

時代は変わる

 住んでいる集合住宅の掲示板に2週間ほど前から「生活騒音に気を遣いましょう」という趣旨の貼り紙がある。一体どんな音が問題になっているのか、どの程度だったらうるさいといわれるのか、そうした話題が伝えられることがないのでわからない。そもそもこの集合住宅では今現在管理組合の理事会ではどんなことが話題になっているのか、なにが決まったのか、IT系の工事があるというのだけれど、なんでそんな工事が必要なのか、一向に組合員に通知されない。なにかというと議事録が管理人室にあるから必要な人はそれを読めという。ま、いってみると社会保険事務所タイプとでもいうか。云ってくれば対応するけれど、積極的には云ってこない。毎月報告を各戸に配布したらどうかといったらそれっきりだ。一体、何がいやなんだろう。
 で、その騒音騒動の源がわかった。70代のおばあさんが昼日中家に友達を呼んで大音響でカラオケをやっているのだそうだ。それで周囲の人がやめてくれろと頼みに云ったら、夜中じゃあるまいし、カラオケひとつも自分の家で楽しめないというのか、と逆に逆ねじを喰わされたというのである。どうも昔からおだてられて暮らしてきた人なんだそうで、多少現状認識に齟齬を来してきつつはあるようだけれど、ただただ純粋に自分の家に人を呼んで遊ぶことになんでお前らみたいな年端もいかない連中にぐだぐだいわれなきゃならんのか、という気持ちが態度に満々だというのだ。
 昔っからこの辺は壁が隣と共有されちゃっているんじゃないかというほど立て込んでみんなが暮らしていたわけで、長屋だって珍しくはなかった。夏ともなれば窓は開けっ放しで、隣のラジオから流れる浪花節に合わせてこっちから「旅ゆけばぁ〜♪」唸ってもおかしくないと云うくらいのものだ。夫婦げんかが聞こえてきて、いざって時に飛び出していけばいいと云うくらいのもので生活騒音として捉えるという発想そのものがなかった。だから、そのばあさんにしてみれば「何がいけないんだ」位の認識しきゃ存在しない。それに対して若い住民のほとんどは「プライバシー」の確保が一番だ。
 これは文化の違いだから、お互いの文化を認め合わなくては摺り合わせができない。「生意気な若い奴」「わけのわからん婆!」と叫びあっていてもなんの進展もない。まず一歩をどこに踏むのかが大事だろうなぁ。