高齢のご夫婦のお宅にお邪魔すると、は、はぁ、当時は随分贅沢した調度だったんだろうなぁ、もうしばらくメンテはしておられないようだけれど、なんて思いながらもそこに暮らしておられるご夫婦の満足感や幸せ感なんかに良いものだなぁと思ったりした。そうしたお宅ではきっとどこかに何となく黴びるような匂いが漂っていたりして、時代を感じたりした。
ここのところとても暑くて、部屋の窓を閉めてエアコンのドライをかけたりした。滅多にそんなことはなくて開けた窓から風が吹き込んでいたから何も気にならなかったのだけれども、エアコンを止めてそのまま窓を閉めた状態にしてあると、しばらく経って入っていった時に、そんなお宅をお尋ねしたような匂いがする。何だろうと思ったら、それは古本の匂いなんだとようやく気がついた。そういえばここのところ数年気がついたら古本をもとめてしまったりするので、それは当たり前なはずだ。
しかし、考えてみるとそろそろ自分たちもそんな年齢に近づいてきたということでもあるし、予算の関係から考えるとなかなか部屋の中のメンテナンスに割く余裕もなくなってくる。段々時間が経ってきていることが実感される。
