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横領100万円 懲戒解雇7割 民間企業調査 社保庁は甘すぎ 東京新聞 2007年9月19日 朝刊
 民間調査機関の労務行政研究所(東京)が18日まとめた懲戒制度の実態調査によると、社員が百万円を横領した場合、最も重い「懲戒解雇」を適用する企業は全体の七割に上ることが分かった。また、横領に限らず、理由が何であれ、懲戒解雇する場合には、四社に三社が退職金を「一切支給しない」と答えている。

 記事の後半では「企業の70.6%が「懲戒解雇」、18.3%が「諭旨解雇」と回答し、解雇は九割近くに上った」といっているから解雇されないケースがそれでも1割はあるわけかと不思議だ。そこでちょっと調べてみた。
<調査要領>

  1. 調査時期・方法:2007年5月30日〜7月2日。調査票の郵送により実施
  2. 調査・集計対象:全国証券市場の上場企業(新興市場の上場企業も含む)3821社と,上場企業に匹敵する非上場企業(資本金5億円以上かつ従業員500人以上)349社の合計4170社に送付。そのうち回答のあった121社を集計*1

 30のモデルケースが起こった場合,どのような懲戒処分をとるのか,過去のケース等から判断して回答する形式で調査している。で、例えば;
<百万円横領事件の場合>

  • 処分の対象とはしない:回答無し、
  • 譴責・注意処分    3.7%、
  • 減給         3.7%、
  • 出勤停止       2.8%、
  • 降格         2.8%、
  • 諭旨解雇       18.3%、 
  • 懲戒解雇       70.6%、
  • その他の処分:    回答無し、
  • 判断できない     5.5%

という回答であった。
 やさしい企業もあるんだなぁとビックリしたが、「判断できない」にはもっとビックリした。
 で、その時の退職金の支給だが、懲戒解雇の場合に「退職金を全く支給しない」という選択をしているのは従業員300人未満の企業だと57.1%だけれども、これが1000人以上の企業になると80.0%となっていて、中企業の方が割り切ることができないのかと思うとそうではなくて、300人未満の企業の31.4%はそもそも退職金の制度を持っていないのである。そんな内部留保をしている余裕はないというのが実状だろう。
こちらに簡易版が掲載されていて、pdfファイルでダウンロードが可能であるが、詳細は『労政時報』第3710号(07.9.28号)誌上で紹介されるということである。
 と、まぁ、こんな記事を見ていくとお役所って本当に身内にお優しいんである。

*1:回答率低いなぁ〜!