ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

あの映画

 ここのシネコンでは例の「三丁目」を二つのスクリーンでやっている。前回、そんなに売れているものには生来の天の邪鬼たる私は多分観にいったりしないだろう、と花道の七三で大見得を切ったのだけれども、とても簡単に家人の誘いに乗り、140分を超えるという長い映画を見てしまった。なんちゅうことなんだろうねぇ。この映画はやっぱりDVDで家のテレビ画面で見るべきだという結論に達したのだった。というのは特殊撮影で構成した昭和34-5年の東京の風景にはどうしても不自然さが残ってしまうからだ。
 昔の景色を「さぁ、どうだ」と見せるカットがくさいのはどうしようもないだろうか。大体日本橋のコンセプトを一生懸命作ったんだから何度も使おうじゃないか構想は想定の不自然さを作り出しているんじゃないか。「この川の上に高速道路ができるんだって!」から三人で歩く場面まで、あの三田方面からあそこまで出かけなくても良さそうな気がするんだけれどなぁ。都電で出ていったのだとしたら銀座の方が手前にあって理屈にあったコースだろうしなぁ、と言ったら、そんなことをいいながら見なくても良いんだと叱責されてしまうのであった。平日の午後の上映だものだから高校生たちも入ってくる。当時の記憶がある世代も勿論たくさんいる。そして私の隣は20代とおぼしき年代だ。こんなに幅広い世代が入っている映画を見たのは随分久しぶりのような気がする。そういえば映画はかつては観客の世代が絞られているというのは珍しかった。しかし、最近はマーケッティングされているからなのか、この映画はこの世代がターゲット、なんていうセリフがないと企画のプレゼンで通らないのかね、と思わせるものばかりだった。
 「泣かせちゃうぞ」映画の常道はもちろん「子どもと動物」で、この映画もそこのところはきちんと押さえているわけで、わかっていながら、まんまと手に乗せられちゃうのが、どうも悔しいのだなぁ。ビッグコミック(オリジナルだったっけ?)を毎回購入していたあの時期の私は「三丁目」でまんまと泣かされていたような気がしないのだけれどなぁ。
 それにしても最初の食いつきのアイディは面白かった。