ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

船場吉兆

 とうとう逃げられなくなってしまって全面的降伏の白旗を揚げる結果となった。危機管理のやり方としては最もまずい対応の仕方だった。各社はこの典型的な間違い対応について良く彼らを反面教師として学ぶことをお薦めしたい。長男の湯木喜久郎取締役は母親の湯木佐知子取締役に伴われて改善報告書を提出後の記者会見で消え入りそうであった。最初の記者会見で大見得を切った次男坊や父親の社長はなんでここに出てこなかったのだろうかと多くの人が思ったことだろう。ここまでも企業のあり方としては巧くない。
 まず最初に嘘をつくと、ず〜っと嘘を突き通さなくてはならなくなる。しかし、所詮は嘘だから、どこかで破綻する。それでもすべてを呑み込んでしまって嘘を突き通すしか方法がなくなる。結果としてこのような会見に至る。それでも船場吉兆は最後に結局すべてを認めてさらけた。
 何度も書くがロッキード事件で大いに揺れた商社丸紅はあの事件の時にパブリシティの担当者にとても優れた担当を抱えていたと語りつがれている。私はご本人を存じ上げないが、当時の新聞記者の中では有名だったのだそうで、彼が職務をまっとうして退社する時にはその当時の記者達から盛大に送別会を開いて貰ったのだという。きちんと対応することがひいては企業の本来の姿を広く知らしめることに繋がる。不祥事が発生した時には取材の記者は頭の中でこの企業は許されない活動をしているのだという先入観に駆られてやってくる。社会部の記者は特にそう思っている。だから彼らをその悪意から解放するのには極力現状を説明することであり、できる限り責任あるポジションの人間が説明するべきなのだ。現場のせいにしてしまいたいという誘惑に駆られる。だれでもそんなところにでていきたくはない。しかし、利益を上げるために活動している集団が不祥事を起こしたのだからその原因をつまびらかにしていく義務は明らかにその集団にある。
 上の記事に帰るが、鹿島のあの「いうことは云わない、代わりに罰金払えばいいだろう」という姿勢は傲慢そのものだ。ひょっとするとジェネコンにはそうしたことは当たり前のことで、それなしに世の中は動かないのだ、いつまでもくちばしの青いことをいうんじゃない、というところなんだろうかねぇ。