私の友人でほとんど酒なんて呑まないのだけれどやけに焼き鳥が好きだという奴がいる。昼間でも焼鳥屋に入って食事したいというくらいだ。そういう点で行くと銀座の「ニュー鳥ぎん」の良く磨かれたガラガラ戸を開けて木造のタッパの低い二階で串を喰いながらビールを呑むうちにやってくる釜飯を食い、最後には鶏スープかけにしちゃうというのがとっても良いのだけれど、あそこは昼間は週末しかやっていない。
ところで最近様々な機会に居酒屋で喋ったり打ち合わせたりするチャンスが多かったのだけれど、ほとんどの方がご一緒すると塩で焼こうという。そもそも昔はそんなことを大体店が聞くというのは非常に限られていた場合だったような気がする。「タレにしますか、それとも塩に？」と。しかし、最近の店は何でもかんでもそれを聞く。するとほとんどの人が「塩！」と答えるのだ。私は黙ってそのまま皆さんの意に従うのだけれど、実は焼き鳥はタレ以外それまでほとんど喰ったことがないのだ。それに慣れ親しんでいるから皆さんがやたらと塩で焼いたものを選ばれるのがどうも分からなかったりする。たっぷりとタレに浸かったニュー鳥ぎんのつくねがこよなく好きだ。
