ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

閏年のこの日にバス旅行

 今年は今日の一日が儲けもん。ごっつあん、である。これまで一度も見にいったことのない河津桜を見にいこうという話になって、日帰りバスパックに参加した。今夜のテレビ朝日報道ステーションで八甲田でスリップして死者を出したバスツアーの運転手の就業状況分析から今の格安バスパックに見る観光バス会社の悲惨な状況を報告していた。規制緩和政策の結果、観光バス会社はそれまでの認可式から許可式に変更され、バス会社の数は一挙に1.7倍となり、過当競争となっているのだそうだ。番組のなかでバスの一日の経費はわずかに7万円だというのには驚いた。40年前に私達が学生の身分ながら儲けゼロ・会員向け・バススキーパックを実施していた時のバスの経費が確か5日間で12万円だったと思う。中の3日間、一台に二人ついていた運転手の方たちは民宿でのんびりして貰っていた。つまり実稼働は二日間だけであり、稼働日についてみれば6万円/日だったといえるわけであの当時から1万円しか上がっていないと云うことになってしまう。しかも、忙しいシーズンは毎日早朝から深夜にまで勤務が及び連日続くのだそうだ。
 今日のバスは私達は朝7時に集合したのだからこのバスの車庫がどこなのか知らないが、少なくとも1時間前には車庫から出ていたとしたら、運転手は5時くらいには出勤していたのではないか。帰りは途中渋滞で予定よりも1時間帰着が遅れたから彼は多分車庫に帰ってから整理をしたら出るのは深夜に及んだことだろう。
 そういえば、昨年の途中くらいからそれまで運転手+バスガイド+添乗員という三人体制だったものがほとんど運転手+添乗員の二人体制となり、バスガイドは見なくなった。なんだかタクシーの世界と事情は重なりそうだ。
 といいながら温泉にはいることができて、昼ご飯を食べ、河津桜を堪能することのできるコースに参加した。実は泊まりで温泉にゆっくり入り、その上桜が見られるツアーに参加しようとしたら安いものは全部満員。ちょっと値のはる物は参加者が集まらず催行中止で安い物以外はどうも成立していそうもない。
 今日のこのコースはほぼ満席。50人程度の参加者のうち男性はわずかに5-6人程度。ほぼ中高年の女性ばかりになってしまった集団は凄い。なんでもありで、小学生の様に膝で立って後ろを向いて後ろの席に座っている仲間とずっと話しているおばさんは私がそっちを見ると逆に私を睨む。怖くてすぐに目をそらすのは私である。その隣は見るたびに何かを食べているし、降りるたびに何かを買ってくる。携帯電話はぴりぴり鳴るし、平気で電話に出て喋る。添乗員が「携帯電話のバスの中での通話はどうぞご遠慮ください」と最初に宣言しているのにもかかわらずである。
しまいにはとうとう最後の手段である。列をなす女性トイレを横目に男子トイレに平気では行ってきちゃうのだった。どうしてそうなっちゃうのだろうか。その上その時の男子トイレのボックスは全部埋まっていたのである。ここで待たれてもねぇ。延々と並んでいる状況を同情しないわけではないけれど。
 こういう状況だと古いタイプのホテルだと温泉のお風呂はどちらかが大きくてどちらかが小さいけれど、この場合当然小さい方が男性用になっていた。それでも男性は5-6人なんだから全員で入ってもらくらくだ。
 さてさて、そんな事情はそこへ置いておいて(置いちゃうのか!?)、河津桜というのは一体どうなんだろうと思っていた。いわれてみると、この時期にこれだけ満開の桜が見られるのはやっぱり、これは凄い。しかし、染井吉野に比べると若干色が濃い。それだけなんとなくしつこいイメージがある。そこがちょっと私の点数が下がるところなんだけれど、それはそれはよい景色であった。この時期だけなんだとはいえ、これだけの人が集まり、バスがやって来るというのは地元にとってはとても大きな収入源となるのだろう。桜並木が続く河津川沿いの道には地元の人たちが出していると覚しき出店が並んでいて様々なものが売られており、それを一軒一軒覗き込んで歩いてみても面白い。ふきのとうを売っているところもあれば、柑橘類のなかでも珍しい物を売っているところもある。「清見(きよみ)=正式名:清見タンゴール」というこちらではあまり見ないものがあったと家人が購入に及ぶ。温州みかんとトロピタオレンジをかけあわせた品種なんだそうで、実に甘くて味の濃い物だったが、その後ずっとぶら下げて歩いて閉口した。家に帰ってから調べたらこの清見タンゴールとポンカンから作ったのがデコポンだというのだからびっくりした。

 河津といえばループ橋だ。そんな変わった橋があるのは随分昔から聞いていた。昭和56年に架かった二重ループ橋で、橋のパンフレットには必ず出てきた不思議な橋だ。高低差のあるところをこのぐるぐる回る橋は今では横浜のあの大きな橋のアクセスにもあるけれどこちらは1981年に既にできていたわけだ。初めてぐるぐるした。
 河津には端戸山公園というのがある。これをなんと読むのかと思ったらなんと「ハジット山」と読むんだそうでところどころにカタカナでそう表記してある。カタカナで書いてあるとどんな漢字を書くのかなんて思いもつかない。すごいなぁ、これは。