ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

撮影禁止

 ちょっとその辺に造詣が深くないのでよく分からないのだけれど、見学に行くと多くの施設で「撮影禁止」が標榜される。例えば食べ物屋さんではちょっと意識しているお店なんかだと料理を撮っても良いけれど発表しちゃいやだ、という店やそれはもうコントロールできないから撮らないで下さいと云うところがある。それはそれで分かる。料理はプレゼンテーションが重要だし、ちょっとした工夫がその写真から推測ができる可能性があるからだろうと私は納得できる。美術品なんかの場合、フラッシュを焚いたらその品質管理に大きな影響を及ぼすことがあるだろうからこれも納得ができる。だったらあの大英博物館の様にフラッシュを焚かないのであればどんなに撮影しても可能というやり方もある。いや、実はあの大英博物館のやり方を見るとどんなところでも、どんな美術品でも撮影させても良いんじゃないのか、という気になる。
 そこまで先回りすることは止めよう。歴史的な建築物では中に入ると「撮影禁止」ということになっている施設はとても多い。撮って良いですよ、といっているところの方が遥かに少ないと云って良いだろう。主に寺院や神社では、宗教上の理由から撮影は厳禁するといっているところが多い。それは納得できる。1963年に修学旅行に行った時の薬師寺の日光月光菩薩像を私は撮影した記憶があるけれど。ロンドンのセイント・ポール寺院(あれはアングリカンの教会だけれども、なんで日本語では“寺院”と呼ぶのだろうか)は全面的に撮影禁止である。勿論礼拝中は撮影はご遠慮くださいという教会は日本にも他にもたくさんある。
 疑問なのは歴史的に意味のある建築物を見に行くとかなりの施設が「撮影禁止」だといわれることが多いことだ。拝観料ならぬ入場料を取るところであれば、それが維持費の確保に通じるのだから、絵はがき、写真集といったものの売り上げで維持費を確保する必要はないだろう。民間の施設がどの様なルールを作ろうとその施設が決めたことに従わなければならないのだといわれればぐぅの音もでない。
 例えば小金井にある江戸東京たてもの園の注意書きをウェブ・サイトで見てみる。

<一般のお客様の撮影(及び撮影)

  • 撮影(及び写生)される場合は他のお客様の迷惑にならないよう十分ご配慮ください。(混雑時はご遠慮いただく事もあります。)
  • 撮影用の小道具は、ご遠慮ください。
  • 各建物内の展示品、建具、案内プレートの移動はご遠慮ください。
  • 写真(ビデオ)撮影は、資料によってご遠慮いただくものがあります。
  • モデルを伴う写真(ビデオ)撮影及び写生については、商用目的(有料)として扱います。
  • 撮影時に入園者の観覧の支障となっていると認められる場合は、撮影をお断りすることがあります。
  • 建物内でのストロボの使用はご遠慮下さい。
  • 各建物内の演示品、建具、案内プレート等の移動は、ご遠慮下さい。
  • 下記の場所での撮影はご遠慮ください。
  • 建物内や、一部庭での三脚及びレフ板の使用は禁止しておりますので、ご注意下さい。
  • 商用目的の撮影は事前申請が必要になります。詳細はインフォメーションまでお問い合せ下さい。

<撮影禁止の資料>

  • 三井八郎右衞門邸土蔵内
  • 高橋是清邸展示室内資料
  • 展示室
  • 三井八郎右衞門邸2階仏間

建物内や一部の庭での三脚、レフ板の使用、及び写生は禁止しておりますのでご注意ください。
<三脚、レフ板の使用及び写生禁止場所>

  • 各建物内
  • 展示目的として造られた庭(綱島家)、庭園(三井八郎右衞門邸、高橋是清邸)、会水庵
  • 他のお客様の見学に迷惑のかかる狭い通路
  • イーゼル・椅子・絵の具を使用しない写生(鉛筆、消しゴムのみ使用)は建物内でも可能です。
  • その他、ご質問はインフォメーションまでお問い合わせください。

 残念ながらここを見ただけでは「撮影禁止の資料」の4点がなぜ禁止になっているのかは分からない。原則的には他の見学者の迷惑になる様な撮影、フラッシュ撮影はダメだといっている。がらがらな時には大目に見るなんてことはあるのだろうか。「この場合とそうでない場合の区別はどこでつけるのか」なんていう輩がいることは充分想像がつくから多分「例外はありません」にするんだろうなぁ。
 屈託なく自らの希望からいわせて貰えれば、どこでも写真に撮らせてもらいたいなぁ。その建物は自分のものにはできない代わりに自分のものにできるのは写真だけだ。そうした古い建物でも、いやそんな建物だからこそ肖像権があったりするんだろうか。
 東京都庭園美術館(港区白金台5-21-9)では「美術館建物内におけるカメラ、万年筆、毛筆、サインペン等のご使用は禁止」である。