ほぼ足りてまだ欲 その先

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津川雅彦

 借金を返すことに邁進しているのか、今週になって映画「次郎長三国志」の宣伝のためにめったやたらとテレビに出てきてあの「あっはっはっは」という笑い声をばらまいている。あのおもちゃ屋の店はうちの近所のショッピングビルの中にもあるけれど、もう既に彼のものではないようだ。30年やって来たけれど素人にはやりきれないんだと解説をしていた。お店というものはオウナーが店にいないで誰かに任せていたら決してうまくいくことはない。そうして自分も遊びながら金が稼げるなんて云うのは多分幻想でそういう人の下についたらきっと旨い汁を吸おうと云う気になるのだろう。
 はっきりいうと私は津川雅彦を好きではない。役者として若い頃の日活映画は全くの大根だった。目障りだった。尤も日活の俳優で上手いなぁと思った役者はいなかったといっても良かったかも知れない。多分彼をまともに見たのは伊丹十三の映画以来じゃないだろうか。こんなことをいっては申し訳ないのだけれど、彼と朝丘雪路の娘が生後すぐに誘拐されたとき、私はとても冷淡に見ていた。鼻先で「ふん」と云ってから「ほうらぁ、みたことか」といってしまっていたかも知れない。
 清水次郎長一家の映画といったら東映に限る。森の石松中村錦之助でなくちゃならない。次郎長は片岡知恵蔵だし、私にとってのチャンバラ映画は悪役に進藤英太郎山形勲吉田義夫とこなくては始まらない。だからテレビで見る時代劇は私にとっては学芸会なのだ。