ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

牛村圭

 体調不良の中、何年も放り出していた牛村圭の『「勝者の裁き」に向き合って ー 東京裁判をよみなおす』(ちくま新書 462, 2004.03)をつらつらと読む。前にも書いたけれど、重光葵を追いかけてレビューした東京裁判考察、といったらよいのだろうか。新書というよりもむしろ文庫に向いた著書といった方がよいのかも知れない。
 重光の人間性に向き合うという点で非常に読ませる力作だという評価を得て良いと思うが、私にとって最も面白かったのは彼があとがきで触れている大学の現状についての記述だったといったら著者はがっかりするのだろうか、それとも「それもいいたかったことのひとつだ」と喜ぶのだろうか。明星大学の青梅には素晴らしい図書館職員がおられるようだ。そりゃ羨ましい限りである。
 多くの文献への示唆を戴いたことにも感謝である。