ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

「東洋宮武が覗いた時代」TOYO'S CAMERA

 「こちら」でこんなフィルム上映が。
写真美術館で観る映画シリーズ VOL.46

撮った。生きた。戦った。かつてアメリカに日系人強制収容所があった—
第二次大戦中、アメリカ政府は市民権を持つ日系人、在米日本人を強制的に収容所に押し込めました。その収容所に禁じられたレンズを隠し持ち、手製のカメラを完成させて、その実態を写した写真家がいました。東洋宮武、その人です。そして東洋と親交があった20世紀を代表する写真家アンセル・アダムスエドワード・ウェストン。彼らの作品と共に、東洋の500枚の写真で証言しながら、収容所の真実と日系人の歴史を描く感動のドキュメンタリーです。

 様々な切り口があり得る戦中の強制収容所について、考えてみるチャンスではある。どんな人たちの立場から見るかによって様々な人生を捉えることのできる時期であり、それが戦後の日米間との狭間に日系人が如何なる立場にいたのか、それを考えるチャンスにすることもできるイベントといっても良いかも知れない。
 当時の米国ではrelocationと呼ばれ、実際にはinternmentであった施設についてすでに戦後60年経った今、「当時食い物に困難を極めた日本人よりはなんぼか良い生活を送っていたんじゃないか」という解釈をする人の言葉に接したとき、私は思わず目眩を覚えた。あぁ、こうして歴史は意図的に解釈されてしまうんだなぁと。「日本は侵略なんかしたんじゃない」「日本のおかげでアジアの各国は英米の侵略から脱したのだ」という解釈もこうして創られていくんだなぁという思いを強くした。抑圧された状況にいる人間が抑圧者に対して実情を、そして実際に持っている感情を顕わにできるものかどうかについてすら想像する力を持ち得ないのはあまりに人間的に貧弱といわざるを得ない。そして私たちは一体どこまでそうしたスタンスをとり続けることになるのだろうか。
 東京都写真美術館は恵比寿のガーデンプレイスにあって、恵比寿駅から動く歩道を通っていくとビールやさんの裏。月曜日は休館。役所がやっているんだからね。
 ここに最後に行ったのは一体いつだったか。もう想い出せないほど昔だ。
この映画は5月9日(土)からはシネマート六本木で、4月25日からは横浜Jack & Bettyというところで一日2回上映されるそうだ。

こんなイベントもあるそうだ。

4月16日(木)〜6月28日(日):
川崎市民ミュージアム 2階 第2アートギャラリー
〒211-0052 神奈川県川崎市中原区等々力1-2
TEL 044-754-4500
武蔵小杉からバス10分
 —宮武東洋の写真作品展ー
第2ギャラリーにて、宮武東洋の写真作品展を開催します。
テーマは、「日系米国人収容所の記録」を中心に宮武東洋の写真作品約120点で構成されています。
入場料 / 無料