豚インフルエンザは遂にWHOが警戒水準を「フェーズ4」から「5」に引き上げたことでいよいよ大変なことになってきた。果たして水際で防げるのだろうか。
豚肉そのものの食用には充分熱加工すれば大丈夫だというのに、エジプトでは国内のブタを「ただちに」全頭殺処分するよう指示が出たというこちらのニュースをテレビでもやっていてとても驚いた。というのはエジプトは宗教的にイスラムだから、豚は食べないわけで、豚を飼っているとは全く思っていなかったからだ。
このニュースを見ると「少数派のキリスト教系コプト教(Coptic Christian)の信者らが食用として飼育している」というのだ。いわれは古く伝承では1世紀(42年頃)にマルコがエジプト西部のアレクサンドリアに立てた教会(アレクサンドリア教会)が始まりだとウィッキペディアに書いてある。
仕事でたった一度だけカイロとアレキサンドリアに立ち寄ったことが随分昔にあるけれど、本当に通り過ぎただけでこんな事知りもしなかった。エジプトでどうしてそんなことになったのか忘れたけれど、お世話になった商社の駐在の方に中華料理をごちそうになったことがある。その時に餃子を頼んだら妙に黒っぽくて、なんでだろうとお伺いしたら「あ、それは中に使ってあるのが豚肉ではなくて牛肉だからですよ」といわれたことがある。その時は「あぁ、なるほどそうですよねぇ。リビアにいたときは酢豚ならぬ酢牛をつくったことがありますよ」と受け答えていた。
どなたがお書きになっておられるのか知らないけれど、このウィッキペディアを見るとエジプトではこのコプト教徒は「エジプトでは統計上5%であるが、実数は1割である」と見られていると、されている。これは大変な数だ。なにしろ日本の全キリスト教徒は人口の1%にすぎないといわれているくらいだから。如何に私がステレオタイプ化して民族、国家を見ているかということを明白に露呈してしまった。
コプト教会については「こちら」に詳細説明がある。