ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

じゃ、今までは

またまた八ッ場ダムの話で恐縮だ。
 産経新聞が【主張】でこう書いている。

 国民生活に必要不可欠な公共事業はある。八ツ場ダム建設には流域6都県が賛成し、一部反対派の差し止め請求も3つの地裁判決で却下されている。そうした現実を踏まえて治水・利水面の効果を評価し直す作業が必要だ。
 国交相は中止を決めた根拠と事後対策について、具体的かつ詳細に示す責任がある。かたくなな姿勢を改め、住民をはじめ地元関係者の声にも謙虚に耳を傾けて、冷静な立場から再検討することを強く求めたい。最終判断はそれからでも遅くはない。
 過去の政策手法や事業の抜本見直しは新政権に期待されるが、原理原則を振り回すだけでは国民の理解は決して得られない。(msn産経ニュース 2009.10.2 03:00)

 話の向きは真っ逆さまで、彼等には多分これから先ついてこられない。民主党政権がいやでいやで堪らなくて、早く自民党政権に戻って欲しい気持ちが良く表れている。国民生活に必要不可欠であるならば地元民がどんなに反対であろうとそれは「一部」という扱いになってしまって、実行すべきだというのがこれまでのこうした公共事業と言われるプロジェクトに向き合うべき国民の姿勢であるというのがおおよそ、お上の姿勢であった。今更持ち出すなよといわれるかも知れないが、これだけ羽田が拡張されて従前の何倍ものキャパシティーを持った飛行場になるんだというのは、三里塚の農民を足蹴にしながら測量を強行し、官憲の力を持って反対派を排除したのはあれはなんだったのか。流域6都県のためには反対する勢力は非国民だというスタンスはもうおしまい。
 広島・鞆の浦の地裁判決に関して「環境と同様に景観への影響を計画段階から精査し、住民とこまやかに対話を重ねながら事業の妥当性を慎重に検討する姿勢が、今後さらに強く求められると言える(msn産経ニュース2009.10.1 12:38)」と書いた産経新聞なら、ここでもう一歩踏み込んで相対してみたら如何か。まさか鞆の浦では宮崎駿の名前にびびっているわけではないだろう。
 話はまた逸れるけれど、かつて一度だけ、鞆の浦に行ったことがある。風光明媚という言葉がぴったりの「ひねもすのたりのたり」な光景を楽しんだことは楽しんだのだけれど、途中から嵐になって、なんだか決死隊のようにして帰ってきたことを思い出す。日本の漁村に良くある山が迫った湾に街ができているところで、この集落を迂回しようとするとずっと山の上を通っているバイパスを通るしかないという。関東でいってみれば真鶴半島の漁村といった風情だけれど、あっちはとっくのとうに海沿いにバイパスを走らせてしまって景観なんてものはどこ吹く風となっている。時代は変わったのだ。生活道路として使っている人たちは大変に苦労をしているはずだけれど、交通規制を上手く作ることに踏み切った方がよいと私は思う。よその人間が余計なことをいうな、といわれるかも知れないが。

追加:

 自民党谷垣禎一総裁は1日、日本経済新聞社などとのインタビューで、前原誠司国土交通相が建設中止を表明した八ツ場ダム(群馬県)について「やめることも選択肢だ」と述べ、本体工事の見送りを含め検討する必要があるとの認識を示した。
 谷垣氏は「治水、利水が実際に必要ないという判断が正しいのであれば」との前提で建設中止に理解を示した。そのうえで「地元住民の生活がかかったものをマニフェスト政権公約)に書いてあるとの理由だけで、政府がポンとやめるのは問題だ」と強調した。2日に現地を視察する。(NIKKEI.NET 20091002 00:33)