ほぼ足りてまだ欲 その先

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因幡の白ウサギ

 大国主命(おおくにぬしのみこと)が通りかかると赤裸になった白ウサギがいて、どうしたんだと聞いたら「わにを騙したらこうなった」というからガマの穂綿にくるまりなさいといって元に戻った、という唄があった。この昔話を子どもの頃私は嫌いだった。
 ワニ(日本にワニはいないからフカ、サメかといわれているらしい)に「お前たちと私たちとどっちがたくさんいるのか、較べっこしよう」といって並ばせ、その上を歩いて島からこっちに渡った。最後にそれを云ったらワニに皮をむかれたという、そこが嫌いだったから。そもそも赤裸になった生きたウサギを想像するだけで恐ろしい。大体なんでワニはウサギを丸ごと飲み込まなかったのか。皮だけくるっとむくなんてことができるのか。
 その上そこに行きかかった大国主命の何人もいるお兄さんが「そりゃ海水を浴びて風に当たると治るぜ」と大嘘をついたというところも嫌いだった。ひりひりして痛いに決まっている。残酷きわまりない。ガマの穂綿?くるまる?なんだかわからない。だから嫌いだった。Wikipediaによると「蒲の花粉はホオウといい傷薬になる」のだそうだけれど、そんなこと、私が読んだ絵本には書いてない。
 同じような理屈で「ヘンゼルとグレーテル」もそれほど好きじゃなかった。魔法使いの婆さんも相当やばいんだけれど、最後はふたりに釜に落とされて焼け死んじゃう。「かちかち山」の狸はなんと背中に火をつけられてしまう。
 しかし、これが私の子ども心に「人を騙すとえらい目に遭っちゃうぞ、だから正直な人にならないといけないんだぞ」と訴え、ジョージ・ワシントンの桜の木を知らしめて洗脳した。ものの見事に教育された。
 NHKの「日本と朝鮮半島2000年」を見ていて、教育の効果、影響は大きいとこれまた思った。