ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

新宿-銀座

 実は先週の木曜日の予定をサボってしまった。前日の酒が残ってしまったからだ。やれやれ。今日はいつもの電車に乗り遅れそうで、久しぶりに駅の階段を走り下りたのだけれど、そろそろこんなことはやらない方が良さそうな気がしてきた。
 大江戸線に途中の駅から盲導犬を連れた50代と覚しき男性が乗ってきた。犬には「盲導犬」と書かれた札がついている。誰にもその方が視覚障がいを持った人だと分かる。私は端から二つ目の席に座って本を読んでいた。犬を連れているのだから端の4つの席のどなたかが席を譲ると思っていたら誰も彼もが見て見ぬ振りだった。その男性は手で探って吊革につかまる。次の駅で、見るに見かねてお声をかけた。「端から二つ目の席が空いています」と案内しようとしたら一番端に座っていたお爺さんが席を詰めた。お礼を言ってその方に座って戴いた。なんでみんな見て見ぬ振りなんだろうか。こんなに冷たい社会になってしまったのだろうか。沿線のとても優秀といわれる私立男子中高の制服を着た男子も何人もいた。学校では何も教えないのか、家庭でも何も教えないのか。どうコミュニケートして良いのか分からないのか。
 いつもの時間に会場に到着したが、いつも私が座る一番前はすでに埋まっていた。それにしてもお集まりの皆さんの年齢構成や行動パターンを見ていると、ひょっとしたらここはちょっと高めのデイ・サービス・センターと考えても良いような気がしてきた。携帯電話を鳴らす輩がいて、そのオヤジは電話に答えながら部屋を出て行くという図々しさ。人様に迷惑をかけているという意識すらない。謝る術を持たないのか。もうすでに周りのことを考えることができなくて自分中心の時間の中に埋没して暮らしているかのようだ。
 今日の気候は温度は高めなのに吹いている風が冷たくて、一体どうして良いのか迷う。本屋を横目でささっと見てから天丼が食べたいなぁと思っていたのだけれど、さすがに新宿はどこもかしこも混んでいて、これだったら銀座に出てからにしようかと迷いながら歩いていたらとんかつ屋に遭遇。そうだ、カツ丼でも良いなぁと思って入ったら今はやってないというのである、とんかつ屋なのに。なんで?
 なんで銀座に出るかというと、TOHOシネマズ・シャンテ-2でのDustin Hoffmanの「Last Chance Harvey(邦題:新しい人生のはじめかた)」という映画が明日で終わりだというのである。なんだかあんまり話題になっていない映画だけれど、一応Dustin Hoffmanのファンのひとりとしては見ておきたいからなんである。
 映画館は木曜日の昼下がりなんだから、私も含めてもちろんシニア料金で入ることのできるお爺さんお婆さんばかりのTOHOシネマズ・シャンテ-2である。相変わらずネットで切符を買っていたのだけれど、ここの小屋は切符を取り出す機械が一番奥に置いてあって面食らう。もぎりの方の前に置いておいて貰いたい。「紙ウサギ・ロペと紙リス・アキラ先輩」が新しいバージョンになっていて笑える。しかし、いつも思うのだけれど、この会話は高齢者層には受けないらしい。
 映画の舞台はロンドン。テームズ河沿いが随分出てくる。ダスティン・ホフマンの相手役は1992年にHowards Endでアカデミー主演女優賞を取ったEmma Thompsonである。むちゃくちゃ感動を呼ぶという映画ではないけれど、まぁ、佳作。最後の場面がなかなか良い。Dustin Hoffmanは老けないねぇ〜!もう72歳だというのに。彼はひょっとすると監督に起用されるかもしれないという噂だ。
 京橋に向かってきたら高速の下の喫煙所で旧知の友人に遭遇。随分久しぶりだ。