ほぼ足りてまだ欲 その先

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星野リゾートはクラブメッドを目指しているのか

 そういわれてみると、軽井沢の星野温泉が、あの鄙びた温泉宿をそれほどメンテナンスしなくなってきた頃から何となく変だなぁと思っていたんだけれど、とんぼの湯と称する入浴料が1,200円もする温泉になってしまってから、あれよあれよという間に、とてもスノッビーなコンセプト(こういう言葉を使うとそれらしい)になっていっちゃって完全に地元とは遊離していった。元々軽井沢という場所の商売がどんどん地元からは離れていってぽっこりできた異次元社会になっていて、もはや旧軽井沢の昔からあったお店もかなりの数が外からやってきた人たちへの賃貸業になりつつある。昔玉子を買ったお店なんて、もうとんでもないことになっている。
 だから私たちはいわゆる軽井沢というところには殆ど行ったことがない。実際に行っているのは佐久平であり、小諸であり、上田であり、東御であり、御代田であり・・・。
 その星野温泉(あ、いやいや、今は星野リゾートといわなきゃならないか)が今度は竹富島に乗り込んでいって、大規模な敷地を買い取って、約50戸のコテッジを備えたリゾート開発に着手した。地元ではとんでもない大規模開発だといい、星野は「わずか50戸」だといっている。2005年6月現在で人口が約342人、戸数約172戸の島に50戸のコテッジは「わずか」かどうかは考えたらわかりそうだ。
 地元にどれだけのメリットがあるのかと考えたら簡単だと思うけれど、クラブ・メッド型のリゾートを目指しているのではないかと思えるこのコンセプトが、従業員を地元から採用するだろうかと云ったら、多分それはないだろう。とするとこの開発計画は外からやってきた観光客が、外からやってきた資本に金を遣い、この資本がそのまま回収していってしまう。つまり、東南アジアで良く見る外国資本に地元の文化、故郷を全部収奪されてしまう、植民地型開発だといっても良いだろう。地元にとって、どんなメリットがあるのだろうか。
 お金持ちのちゃらちゃらした人たちが集まってきたから自分たちの生活もそれに近づくのかと云ったら、全く関係のない世界が出現すると云うことだ。
 こんな開発をしている企業をマスコミは時代の寵児のように扱っているのだ。こいつらはあのバブルの時にどんなことが起きていたのか、まったくなんの反省もなく、この種の事業を見つめている。彼等には学習というものはない。多分彼等に尋ねたら、その頃自分たちはまだ子どもだったとでも言い訳するだろう。ジャーナリストともあろうものが歴史を紐解かずに仕事をするな、といいたい。
 バブルの頃にあんなことに手を出して、本当に間違っていたなぁと深く反省、頻りである。

 そうそう忘れていた。竹富島には水源がない。それで30年ほど前に西表島から海底パイプラインを敷設して水を供給している。そろそろ更新時期が迫っていることが考えられる。リゾートが作られると一気に水の需要が増加するはずだ。この問題を竹富町星野リゾートはどう解決しようとしているのだろうか。