ほぼ足りてまだ欲 その先

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老い

 犬も猫も、自分の家で飼っているものについては毎日見ているものだから、その老いになかなか気がつかなかったりする。良く見ると眉毛のようなものがまるで昔の村山富市のように明らかに現れてくる犬もいるし、猫も白髪がどんどん増えてくるのだけれど、毎日見ているものだからなかなかその変化に気がつかない。ところが初めて見た人から見ると明らかに老けていて、その表情やまなざしにその老いがそのまま現れている。そうするとなんだかこれまでの人生(ではなくて犬生なり、猫生)がその表情に表れているような気がして、ただそれを見ているだけで、こっちが涙ぐみそうだ。飼い主にとってはある日突然その一生を犬や猫が終えてしまうように思えるのだけれど、実はそうなるべくしてなっている。それを飼い主はなかなか理解できない。私もできなかった。
 それと同じように人間もいつの間にか老け込んでいる。ごくたまにあった人はびっくりする。どうしたのそんなに禿げちゃって、どうしたのそんなにシワシワになっちゃって、どうしたのそんなにヨボヨボになっちゃって、なんである。自分は毎日毎日自分を見ているんだから、その変化になかなか気がつかない。忍び寄ってくるのではなくて、突然背後に飛び降りてくるんだよ、老いって奴は。