ほぼ足りてまだ欲 その先

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Waste Management Inc.

 先日、CSのゴルフチャンネルを偶然見たら、その時に放送していたトーナメントが「Waste Management Phoenix Open」という名前だった。知らない人が見たらなんちゅう名前のトーナメントなんだろうと、不思議でしょうがないだろう。「ゴミ管理フェニックス・オープン」なんて一体全体誰がそんな名前をつけたんだということになる。それが別になんの不思議もないまま通用している米国のゴルフ界はどうなってんだろうと思うのが普通だ。
 このWaste Managementというのは固有名詞で会社の名前である。つまりこの名前の会社がスポンサリングしているフェニックスのトーナメントだということである。この会社がスポンサーになったのは昨年からで、今年が2回目であり、それまでは2004年から投資銀行の Friedman Billings Ramseyがスポンサーで、通称FBR Phoenix Openと呼ばれていた。
 で、このWaste Managementという会社だが、今ではHoustonに本社を構えているけれど、1998年までは創業地であるChicagoに本社を持っていた。この会社がどんな具合に米国に知れ渡っているのかというと、ゴミの回収業者として米国一の規模を誇っている。そのライヴァルはかつてはBFIという会社だった。その頃の米国映画を見ていると、路地裏に入り込んで、格闘シーンなんかがあるとそこに置いてある大きなゴミ回収用の鉄箱に、必ずWaste ManagementかBFIのマークが入っていて、あぁ、あの辺はあっちの会社のテリトリーなのかと思ったもんだった。
 1970年代の後半にWaste Management Inc.はかつて米国で稼働していたゴミ焼却工場をもう一度導入しようと検討していて日本に現状を視察にやってきた。当時東京の板橋のゴミ焼却工場が最大規模だったのと、彼等が導入しようとしていたライセンサーが共通していたこともあって、私たちとも交流があった。Chicagoに行ってみると第一次世界大戦後に建設されたゴミ焼却工場の建物がそのまま残っていて、ゴミの集積基地として活用していたけれど、私にとっては工業遺産として大変に興味があって、見せて貰った経験がある。
 彼等はただ単にゴミを集積しているだけでなく、ランドフィルといわれる埋め立て地の管理、処理の必要な有害ゴミの処理まで行っていて当時の米国のゴミ処理の民間委託の徹底ぶりに驚いた。それにしても羨ましかったのはやっぱり国土の広さ、人口密度の低さである。何についても私たちの国は人間がいすぎているということが悩みのタネの要因だが、それが力でもある、という悩みがつきまとう。
 BFIはその後他社に吸収されて、今やその名前はすっかり見ることがなくなったけれど、Waste Management Inc.は全米にネットを張っているからあのゴルフ・トーナメントはあんまり抵抗がないということだろうか。