ほぼ足りてまだ欲 その先

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結婚相手

 昨日のNHKクローズアップ現代」は「結婚したいのに…〜止まらない未婚化〜」というテーマだった。なにしろ今時の人たちは結婚しないし、したとしてもかなりな晩婚である。私達が若かった時代、女性の結婚適齢期は24歳であるという論調が、どこから始まったのか、何が根拠だったのか知らないけれど普通に流れていて、35歳を過ぎてからの初産は様々な点で(具体的にはどのてんでなのか全く記憶がないけれど)母体にも生まれてくる子どもにも良くないのだ、というようなことを聞かされて育った。だから、周りでそんな年齢で結婚する人がいると、大丈夫なの、などと余計なことをいったりした。今ではそんなことを云ったら頭がおかしいんじゃないかと疑われようというものだ。
 しかしながら、皆さんなかなか結婚しないと思っていたのだけれど、これだけ先の見えない雇用が当たり前の状態に置かれてしまったら、そうそう気楽に自分の生活を変える勇気を持ち得ないのは致し方のないところだろう。
番組の中では結婚紹介所が主催する出会いパーティーでパートナーを捜す男性が映し出されていた。しかるにそのカウンターパートとして映し出された女性は経済的にも頼る相手であるからと、条件に年収500万円以上、公務員だなんて書いてあって呆れるわけだ。
 えひめ結婚支援センター(こちら)は県が後押しをする結婚パートナー紹介機関である。ここではイベント後の引き合わせ、交際フォローなどをするボランティア推進員というまさに昔良くいた「近所のお節介おばさん」機能を果たしている。ただ、引き合わせるだけでなくて、結婚するための決断要素となる共働きができる職場環境の導入についても、県の立場から啓蒙しているという。
 そもそもこういう傾向に拍車をかけたのは根本的には長期間にわたって先を読むことのできない労働環境に若者を落とし込んでしまった政策にもあり、その点では小泉・竹中シンジケートには犯罪者としての責任がある。これだけ低報酬で、不安定な労働社会を創り出したのは誰かといったら当の若者達ではないことは自明だろう。直接的には雇用者である産業界であり、その中心的な役割を担っている経団連に大いに責任がある。ここまで来るとおおよそこの政策が自分で自分の足を食べてしまう蛸の姿が明らかになってきていることがわかるが、産業界は自らの製品の消費市場をどんどん狭めていることになるのだ。消費者が可処分所得の殆どを失ってしまい、新たな家庭単位を増やすペースが驚くほど衰え、それに伴って人口は減少するばかりとなる。国内市場を失ってしまうことになり、その市場を国外に求めることになる。自分で自分の市場を壊している。
 労働者だけでなくて雇用者自らも市場の消費者であり、この三者は別個の人間たり得ない。その思いに至らない経団連がいかに視野の狭い存在なのか明らかだろう。