ほぼ足りてまだ欲 その先

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金柑

 昔、どんな種類のものだったのか全く記憶にないのだけれど、ことわざカルタみたいなものがうちにあった。そのなかに「きんかんみかんはつぎきでふえる」というのが「き」だった。この他に憶えているものは「な」でそれは「なまびょうほうはけがのもと」だった。確かそのカルタの絵は子どもがプロレスごっこをしているところという実にマニアックなものであった。
 ほぉ〜、接ぎ木する訳ね?というのはわかったし、技術家庭科の授業で接ぎ木ッてのはどうするんだというのはポンチ絵と線で結ぶ問題が出ていたからよく知っているけれど、実際にはそんなことやったこともない。ガキの頃は金柑なんてものは単なるお飾りなんだと思っていた。それをつまんで食ったりすることができるとは思ってもいなかった。それが2005年に死んじまったオフクロに認知症がまだらに現れるようになったころ、庭に行くとおふくろが金柑の実をもぎって食べるのを見て、ほぉ〜、これは食べられるのかとようやく認識したようなものだった。
 それが一昨年の3月に大阪に行きたい用事ができて、高校の修学旅行から何十年振りに遊びで京都に行くという機会がやってきて、円山公園の長楽館に入ったら、金柑のタルトなんてものがあって、これがうまい!それ以来金柑を食べることがようやく普通に認識できるようになった。