ほぼ足りてまだ欲 その先

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14.9

 昨日6月30日に警察庁が「試験的に実施した取り調べの一部録音・録画(可視化)の検証結果」を発表したと各紙が報じている。
 ところがこの中身はチャンチャラおかしい検証で、なんのためにこんなことをやって、なんのためにこんな結果を発表したのかは実に見え見えの茶番劇なんである。誰が見てもこんなことはやったうちに入らないし、学術的に評価したらそれこそ査読で引っかかってジャーナルなんかに掲載されるはずもないようなデーターなのだ。
 なにしろ「2009年4月からの2年間で、殺人や放火など裁判員裁判の対象となった7,905件のうち、容疑者が自白している717件」で一部録音・録画をしたといっているけれど、平均すると開始時期は逮捕後14.9日で、平均時間はなんとわずか14.9分だったというのだ。拘留期間というのは10日間となっているんだから、ここまで来たら既に殆どの自白ケースはやられるだけやられていて、あとは「はい、はい」というしかない状態になっているだろうことは誰でも予測がつくし、たかだか14.9分で一体何がわかるというのか。
 時事通信はこの事実を記事中に書いているけれど、他の各紙はこの「14.9」について触れていないものが多い。ここに実にヘタックソな捜査機関へのこびが透けて見えている。
 「取り調べをした捜査員613人の9割超は、自白の任意性立証に効果があると回答。真相解明に大きな影響はないとの意見も6割超」だとする一方、「全過程の可視化は「真実の供述が得られなくなる」として91%が反対した(読売新聞)」と伝えていて、このあたりも良くもまぁたかだか平均14.9分の録音・録画でそんな結論を導き出せるものだと開いた口が塞がらない。
 警察庁は舐めていてどうせマスコミはいう通りに書くから大丈夫と思っていることは明白だ。バカにするなといいたい。