ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

散歩

 今日の散歩は思いっきり電車とバスに乗って街を見下ろすことのできる山にあがった。ところがここのところ異常に温度が高いようで、昼になると26-7℃まであがるものだから、全くかすんでしまっていて、全然見通しがきかない。せっかく登ってきたのだからとシュテファニーの展望台を探すけれど、とうとう道が見つからない。全く道標がない。どうしようもない。(洒落になっています)。
 帰りのバスに乗っておりはじめたら、途中から小学生の遠足がぎゅうぎゅうに乗ってきて、うるさくてしょうがない。多分小学校3年生ぐらいだろうか。悪い盛りだ。とうとう頭が痛くなって途中で降りた。
 ところがこれが意外な展開のきっかけだった。降りたところのすぐそばがなんとベートーベンに何かゆかりのあルらしき家があった。表示がドイツ語だから名前はわかっても、他の表記がわからない。その家を写真に撮っていたら、そこに緑のセーターを着たおじいさんが立っていた。会釈を交わしたら、そのおじいさんが突然「ありがとう!」と日本語でいうのだ。驚いた。
 そうしたらそのおじいさんがちょっと開いていた家の門を開けて中に入れというのである。言葉に甘えて入ってみると、中庭は立派な葡萄の棚が広がっていて日陰になっている。その先に倉庫のような建物があって地下に降りるような階段がある。来い来いと合図をするので降りていって見ると、なんと古い葡萄酒の樽がいくつも並べてあり、あたりはかび臭い。かつてはここで葡萄酒を熟成していたのだろうか。おじいさんの話ではここでは600年前から葡萄酒を作ってきたのだというのだ。樽には年号も書かれていて、レリーフが彫ってある。大きなものでは4トンもの貯蔵ができるものがあるという。
 帰ろうとするとおじいさんが家の中に入っていく。中を覗くと奥さんとおぼしき女性がいて、なにか作業中だ。目があって会釈を交わす。するとおじいさんが手に白い葡萄と赤い葡萄を持って出てきた。白はシラーズだという。これを持って行けという。しまいには白のワインを持って出てきて、これも持って行けというのだけれど、いくら何でもそこまではと固持した。今考えてみるとお金を払って買ってくれば良かった。おじいさんの緑のセーターの肘が抜けていたのが印象的だった。