ほぼ足りてまだ欲 その先

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オペラ「ジャコバン党員」

 ドヴォルザークのオペラ「ジャコビン(日本ではジャコバン党員)」を国民劇場で見る。上の階の端っこの席を取った記憶はあるのだけれど、いってみてびっくりしたのは、私が取った席なるものは4階席の下手側の一番ステージに近いところで、見下ろすとオーケストラ・ピットの端っこの真上で、ちょっとよろめいたら落っこちてしまいそうで、高所恐怖気味の私には最悪の選択だった。
 しかし、「ジャコビン」の演出はそれはそれは度肝を抜くもので、こんなオペラを見ることができたのははなはだラッキーだったといって良いのではないだろうか。
 なにしろ幕は既に開いておって、ステージ上には大きなガリバー用の椅子のようなもの、それにあったサイズの書籍が置いてあるかと思うと、小さな教室にあるような椅子がずらっと並んでいる。
 そこに子どもたち(の姿をしたダンサーズや本当の子どもたちの合唱隊)が出てきて、既に遊びはじめる。オーケストラ・ピットにはまだ楽団員がそろっていないという状況である。それでもそちらにはお構いなくステージ上は彼らの遊びやからかいや、おふざけに充ち満ちているという始末である。初演もこの劇場だったとどこかで読んだ記憶があるけれど、その時は一体どんな演出だったのだろうか。
 今日が三連続公演の中日だけれど、とてもよく練れたできで、当時のオペラ独特の臭さも勿論あるのだけれど、とても斬新で面白かった。