東京電力の緊急発表
本日(1月1日)午後5時30分頃、免震重要棟でプラントデータの確認を行っていた当社社員が4号機使用済燃料プールのスキマサージタンク(※)の水位が比較的早い速度で低下していることを確認しました。
- スキマサージタンクの水位については、自然蒸発などにより低下しますが、これまでの運転実績において、3時間で50mm程度(1時間あたり約17mm)の低下であったものが、本日午後2時〜午後5時までの3時間で約240mm程度(1時間あたり約80mm程度)の低下が確認されました。
- 現在、漏えいを想定した現場確認を行っているところでありますが、4号機の使用済燃料プール循環冷却システムが設置されている廃棄物処理建屋1階ならびに原子炉建屋外廻りにおいて漏えいは確認されておりません。原子炉建屋内の配管の接続部の健全性確認など、現場調査を引き続き行い、原因調査を行ってまいります。
- 本日午後5時現在の使用済燃料プール水の温度は23℃であり、現在も同プールの冷却を継続しており、使用済燃料プール自体の水位に変動はありません。今後、準備が整い次第、スキマサージタンクの水張りを実施し、水位を監視してまいります。
(※)使用済燃料プールからオーバーフローした水を受けるため設置されているタンク。使用済燃料プールの水は、通常、燃料集合体の冷却および水の不純物を取り除くため、スキマサージタンクへオーバーフローさせ、熱交換器およびフィルタを通した後、再び使用済燃料プールへ戻している。(こちら)
追加情報:
東電によると、スキマサージタンクの水位低下に相当する減少量と、原子炉ウェル水位上昇に相当する増加量がほぼ同等だったという。そのため地震が原因で、両方の間の隙間の状態に何らかの変化が生じたと見ている。
原子炉ウェルとは、原子炉圧力容器および原子炉格納容器の蓋を収納している空間で、定期検査中はこの空間を満水状態にし、燃料交換などを行う。(こちらから)
この部分については毎日新聞(2012年1月2日 23時54分)では全く触れられていない。
msn産経ニュースは触れている。
地震でタンク水位低下か 福島第一原発4号機プール、異常なし
東京電力は2日、福島第一原発4号機の使用済み燃料プールからあふれた水がたまるタンクの水位が1日に低下し、燃料プールにつながる隣接プールへ流出する水の量が増えたのが原因とみられると発表した。1日午後2時半ごろ起きた地震が影響したとみている。燃料プールの水位に変化はなく冷却は続けた。
タンクの水位は1日午後、急速に低下した。東電は、燃料プールの水位が隣接プールより高く、地震で通常より流出しやすくなったと推定。タンクの水位低下に相当する減少量と、隣接プールの水位上昇に相当する増加量がほぼ一致した。隣接プールに水を張ると、タンクの水位低下は収まった。
当初は、燃料プールの冷却に使っている配管から水が漏れている可能性も考えられたが、漏えいは確認されなかった。(こちら)(msn産経ニュース2012.1.2 20:55)