自分もかなりそうだったのだから別にどうという話ではないのだけれど、世の中の大まかなコンセンサスというか、流れのようなものというのは実に根拠なく成立しているのだなぁとしみじみ思う。
民主党政権の成り立ちだって、ほとんどそんな流れの中から生まれたに相違ない。だから、その疲弊ぶりに呆然とすることになる。松下政経塾の危うさというものはいつだったかの偽電子メール事件から既に兆候となって現れていたのは今更いうまでもないけれど、視野の狭さ、余裕のなさ、時の力に容易に流されて行ってしまう政権運営のためのなさが時として自民党に有利に作用する結果となっている。
まるでソ連が解放されて一党独裁政治から放たれたにも拘わらず、「共産党政権の時の方が良かった」という人があとを絶たないのと、同じような状況になっている。
「私は新聞は読まない」と豪語し、「私は元々小沢一郎は嫌いだ」と断言する人になんで小沢一郎が嫌いなのかと聞くと、理由はないといったりするのだけれど、とにかく悪い奴だ、という。
つまり、テレビ、あるいは周囲の雰囲気で何もかも簡単に決めつけて暮らすのが一番楽であるということだ。そして楽こそがこの世の選択肢の最も上位に位置するのだ。
民主党の代表選挙に党員の7割は投票していないのだそうだ。党員という登録をしている人たち(本人の意志で党員になっていないのかも知れないけれど)が参加しないんだからもうダメだろう。それで野田が圧勝したのも無理はない。反対派はとっくにもう民主党に残っていないのだから。
マスコミは今や完全に、完璧に、とても自然に、ある権力におもねって糊口を凌いでいる。日本の過去を払拭し、中国韓国と対立し、憲法を作り直して軍需産業に寄与する体制を造り、国民のことよりもある一定の階層の立場を堅固なものにする、そんな方向に一致団結して事に当たっている。これからは坂道を転がるようにして暗い国になる。それでなくても人口が減少して沈滞していくだけではない。