ほぼ足りてまだ欲 その先

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ひきずって

 日本という国がいつまでもあの戦争からの流れを引きずっているのは米国、および米国を主な本拠地とするグローバル資本から見たらとても美味しいんだろうなぁ。なにしろ米国に頼らないとにっちもさっちもいかないと思い込んでいる日本という国家および国民は実に御しやすい。
 あっちの国は君らのことをいつまでも恨んでいるんだから、何を仕掛けてくるかわからない。ほら、核ミサイルを撃ち込むかも知れないんだよ。だから、こちらの国の軍隊を駐留させてその時に備えておけるようにしよう。何しろ君たちは同盟なんだからね。だから、その費用は君たちが持って頂戴ね。でもって、そのためには多少のことには目をつむっていて頂戴よ、と。これでもって、いわゆる教育からドロップ・アウトしちゃった諸君の就職先は確保されるし、軍需関連産業の連中にも稼ぎになるからね。良かった、良かった。こうやって軍隊派遣しているだけじゃ儲けが少ないから、ここの連中には「自分の国を自分で守らなくてどうするんだ」意識を吹き込んで戦闘機を買わせることに大成功してきたしね。なぁに、ちょこっと握らせれば警察予備隊じゃなくて自衛隊じゃなくて国防軍だとどんどんエスカレートしてくるから黙っていても金になる。
 もう世の中はひとつの国がすべての分野に注力するなんて効率の悪いやり方はないって言う理屈が「なんとか論」って名前をつけて宣伝すると良いかもなぁ。何しろ、彼らが持っている資産と云ったらとにかく人間の数しきゃない。あの小さな国土に1億人を超える人間が暮らしているんだ。鉱物資源があるわけでもないし、工業国だといったって原材料がなかなか手に入らないってことになったら、何も作れやしないんだから。その上農業を押さえちまったらこの市場は全部こっちのものになるという訳なんだから、早いところその辺を倒してしまって、外から何でも持ち込めるようにすると、おいしいぞ。
 1億人にはサービス産業のような分野だけしきゃ残されていないことになるけれど、賃金をおとしめおとしめて外の人件費と並ぶくらいまで落とせば、またぞろ軽産業を持ってくることができるかも知れないじゃないか。なにしろ1億人は何かしらを買って暮らすしかないんだから、それくらいは搾り取れるだろう。幸い、(なんでか知らないけれど)アメリカ、グローバルの大好きな連中が揃っているから、偶にもて囃してやればそれで多分充分に相違ない。
 自分たちがあの戦争でやってきたこと、その当時の精神的裏付け、「戦争中だからしょうがない倫理観」なんてものを一切振り返ることもせず、「美しい、美しい」と浮かれている連中はあの戦争をじっくり反省して掘り下げることなんて決してしないから、ばれやしない。この国の綿々と続く文化には、あの戦争なんかでどうにもならない深いものがあるんだと言い続けていけば絶対にばれやしないのだ。