ほぼ足りてまだ欲 その先

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帰京

 天気予報は東京も今日はとんでもない温度になると放送していた。そんなこといわれたって帰らないわけにはいかない。これが辛い。このまんま温泉三昧、蕎麦三昧で暮らしたい。そんなことがこのまま続くわけがない。覚悟を決めて帰京する。
 殆どここから帰るときは碓氷峠の旧道を下ることにしているのだけれど、今日は友達が教えてくれた「Peters」という御菓子屋さんの桃のケーキを持って帰りたくて、敢えて混んでいる道路に身を投じるつもりで帰途につく。
 碓氷峠の旧道は40数年前にスキーに行くときは嫌だといってもあのくねくね道しかなかったのに、今はもうほとんど車は通らない。横川と軽井沢の間の鉄道はとっくのとうにJRが廃線にしてしまい、あの眼鏡橋は今や見物に来る人を待っているだけになってしまった。昔は後ろから来る車に追い立てられるようにして下ってきたので、よく見えなかったのだけれど、これだけ車が通らなくなったら周りに目が行くようになった。
 下まで降りるとこのあたりを世界遺産に!と書いてある看板を見たのだけれど、廃線になっちまった施設が世界遺産になるのは如何なものかと思わないでもない。例えばスイスのゼメリング鉄道はあれだけのものが今でも使われているどころか、ガンガン列車が通るのを見ているとこれなら世界遺産になって当然と思うけれど、放り出されちゃったんだからなぁと忸怩たる想いがある。
 峠を下りきって直ぐの坂本の宿には峠の湯という風呂があってバイクでツーリングに来た連中や山を歩いてきた人たちが疲れを癒してきた。あそこに寄ってからと角を曲がるが、車の姿が見えない。おかしいなぁと思ったら入り口に「火災の為休館」とかいてある。えっ!またも驚く。近づいてみると、丸焼けだ。中を窺うと真っ黒だ。惜しいなぁ、良い風呂だったのに。風呂を浴びてここで飯を食って帰ろうと思っていたのに。
 それではしょうがないと、横川の「おぎのや」に入ることにした。もう何年ぶりだろうか。まさかここで「おぎのや」かよぉ、と思って入ると中はワンワンと家族連れであふれかえっていた。小綺麗になってまるでフードコートのようになっていたのだけれど、できあがると切符自販機で買った食券の番号をマイクで呼ぶ。この雰囲気、どこかで昔味わったことがあるなぁ。スキー場の食堂か?そういえば昔のスキー場の食堂ってのはもうワンワンしていて堪え忍ぶ根性を鍛える為に入っていたような気がする。
 それにしても車というのはシートが重要だということが身に滲みてわかった。日産のNOTEという車のシートは年寄りには辛いという実験結果が判明した。