ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

こちらにもこんなバカ

政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は4日、職業に結びつく知識や技能を高める実践的なプログラムを大学に設けるとの提言を安倍晋三首相に提出した。アカデミックな教育課程に偏りがちな大学を変革し、産業界が求める「即戦力」となる人材を育てるのが狙い。社会人の学び直しを後押しするとの期待もある。(日本経済新聞2015/3/5 0:05)

 思わず目を疑いませんでしたか?問題点はもうすでにあちこちで語られておりますが、「アカデミックな教育課程に偏りがちな大学」にあります。もう爆笑でございます。大学でございます。専門学校ではないのです。大学はアカデミックな内容にもっぱらするべきで、それを学びに来るのが大学な訳でございますよ。そんなねぇ、企業に入ってすぐさま戦力になるような技を求めるのは専門学校で良いわけです。
 高度成長期の企業社会では、大学を出て企業に入ってくる連中は「色がついていない方が良い」といっておりました。よほどの専門知識を必要とする以外はそれで良いと。企業に入ってから戦力化する、と。それのだらだらした延長線上のお話でございましてね、天下の都の西北の総長たるものが座長となって具申するような内容ではございません。産業界の犬でしかない、アカデミズムを放り投げた提案でございます。
 そもそもかつての専修学校、専門学校をどんどん下駄を履かせて「大学」なるものにしてしまったのは誰でしたっけね?
 それもいうなら、今ここで必要なのは、公設の職業訓練校でございましょう。大学はアカデミックな内容にどんどん特化していくべきでございます。混同してはなりませぬ。じゃ、今の民間の専門学校はどうするんだと。教育と称して、あたら若者たちを誤魔化して金を巻き上げる単なる利益追求企業としての、ま、極論してしまえば保育園の延長線上のような場を放りっぱなしにしていて良いのでしょうか。あれは一種の詐欺行為ではありませぬか。アートと実務を混同してはならないでしょう。
 社会人の学び直しをなんと心得る。アカデミズムに戻り、立ち位置を見定めるための行為としての学び直しであるならば大学を選べば良くて、そうでないいわゆる教養としての知識、技術の獲得を目指すのであれば、カルチャーセンターで良いし、職業上の技量の向上を目指すのであれば、それ相応の専門学校過程を構築していかなくてはならないでしょう。
 それをあれもこれもごったにして考えるのでは、これは教育の再生どころではない。私の提案はそれであれば、専門学校の高等課程を充実させる、でございます。それを民間が(儲からないから)やれないのでしょうから、公設高等専門学校を作る、ということですが、あれ?あの「高等専門学校」じゃ、なんでいけねぇの?