閣議決定をした後で、安倍晋三が会見をしてまた例によって空威張り演説をしたんですね。安全保障関連法案と呼んでいるらしいけれど、「戦争法案」の方がよっぽど明らかに内容を説明しているわけで、「こう呼ぶな!」といったって、おいおい、おまえにそんなことをいわれるいわれはないんだぜ、おまえがそうやってんだから。
「戦争に巻き込まれることは絶対にありません」なんていってたよ。「完全にコントロールされている」なんて外に行って得意げにいって見せたけれど、「完全に何もわかっていない」ってことが明らかになっちゃったくらいだから、こいつの「絶対」には臍が茶を沸かす。
姑息なやり方が実に不愉快で、こんなやり方で憲法をぶっ壊して良いのかって事になるんだけれど、いいわきゃない。姑息といえば、彼は今日の演説でも、プロンプター(透明の板に見えるけれど、奴の方から見るとあそこに原稿が映る)を見ながら喋っているにもかかわらずテレビにはそれが映らないようにバストアップを強制していたことを見てもよくわかる。
こういう小細工を見ていると、彼の後ろには確実に広告代理店がいる。自民党の連中だけがやっているのだとしたら、ここまで完璧に小細工ができるとは思えない。大体が井の中の蛙の集まりだから、どんなことをしたら、どんな印象を持たれてしまうか、どんなことをしたら一般市民の同意を得る、あるいは得るように仕向けることができるのかという点について実にへたくそだ。なにしろ公職選挙法に触れないように活動をすることについて非常に鈍感だ。
こいつを放しておいたら、日本は愚かな普通の国に堕してしまう。もう外国の印象は変わってきてしまっている。日本人はなぜこんな歴史修正主義に揺さぶられているのかという印象を持たれてしまっている。これが何を意味するのかというと、信頼を失うということなのだ。失うんだったら得ることができるのではないかという気になりそうだけれど、それは非常に難しい。これから先日本という国が非常に友好的な、信愛するべき国家であるという印象を持たれるのは難しい。後ろ手に刀を握っているのではないかという危惧をもたれることになる。
今の中国はまだそう見られている。アジア・アフリカの各国に対して支援、援助を供与する姿勢にいるかの如く振る舞っていて、AIIBもその一環として設立に向かっているように見えるが、メンバー各国は、いつ中国が居直るのか、常に見つめていくことになるだろう。なにしろ南沙では自らの拠点を埋め立てて作ってしまった。尤も日本も岩を埋めてしまっていたから何ともいえないけれど。
一度失ったものはおいそれとは戻っては来ないのだ。次に取り返すことができるときには、国民を何百万人失えば良いのか。前回は310万人を失ったといわれている。