ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

新宿

 前回お休みをしてしまったので、多分一ヶ月ぶりくらいだったかも知れません。最後に、じゃ、質問というのに真っ先に手を上げた爺さんが、何をいうのかと思ったら「保育園落ちた、日本死ね!」の「日本死ね!」はけしからんという。あ、こういう爺さんいそうだとは思ったが、本当にいたのか。「今の若い奴はすぐに死ね!といいすぎる」と。ま、その部分だけ当たっている。
 一億総活躍だとか念仏を唱え、女性の地位向上担当大臣だなんてものをつくり、あたかも、本当にこの国を憂えているように思わせている自公連立安倍晋三政権がまったく実効的なことをしていないところをものの見事に捉えた(実際は本当に困っているのだが)ブログがこんなに大騒ぎになるとは、安倍晋三も、塩崎厚労大臣も思っちゃいなかったんだろう。甘く見すぎた。
 あの民主党山尾志桜里があのブログを取り上げるに当たって、予算委員会の理事会では「そんな根拠のはっきりしない書き込みを取り上げるにはフロップは認めないといって与野党合意していたのに、それを持ち出したからあの場でヤジが飛び交ったのだと平沢勝栄がテレビに出てきて、釈明をした。しかし、そんなものは法律にも書かれているわけではなくて、単なる「内規」に過ぎない。山本太郎今上天皇に手紙を渡したらなんだかんだとケチをつける。そうやって出る杭を打つ。
 しかし、見てみろ、全国で「落選したのは私だ!」というプラカードを持ってお母さんたちが手を上げている。たった数日で、2万筆以上の署名が集まったと塩崎のところへ持ち込んだ。
 安倍晋三は「誰が書いたのか、本当なのかもわからないこと」とうそぶいたけれど、本当に保育ができない状況を笑っていられないんだぞ。保育士だって、給料さえ良ければもっともっとやってくれる人たちはいるんだ。いつまでもうそぶいていろ、馬鹿な政治家は。
 予定通りに丸の内線で霞ヶ関に出て、おどろおどろしいくらい立派な弁護士会館の一階ロビーで展示されている「あれから5年 3.11東日本大震災写真展」を見に行く。とても散漫な展示だけれど、ひとつひとつは考えさせるモノばかり。
 介護士だった奥さんの遺体を発見した旦那が遺体にすがりついて頬ずりをする、という写真あたりから、私の涙腺は自信がなくなってきた。
 多分今日から明日にかけてそんな映像に何度も遭遇することになるのだろう。
 日比谷公園に面した一階の出口を出て祝田橋の方へ向かうと、右手は日比谷公園で、左側は昔の法務省のウラを歩くことになるが、これがセットバックしていて(多分容積率の関係か、役所が得意げにいいそうな保安上の問題か)本来の歩道の内側が歩けるようになっているし、こっちの方が歩きやすい。そこをまっすぐ歩いて行くと、裏口にいちいち経緯日印のような制服を着た人間が建っているのだけれど、彼らが一様に目つきが悪く、挑戦的に通行人を誰何するように睨み付ける。まるでちょっとでも油断したらこっちが刃物を取り出して襲いかかってくるんじゃないかと警戒している様子が見える。まぁ、はっきりいってものすごく不快だ。その挙げ句、そこここに「無断撮影禁止」と書いてある。「何様だ!」といいたくなる。
 日比谷公園に入ると、「大寒桜」と書かれた桜が満開である。その傍のテニスコートでは爺さん連中がゲームをしてるがその脇に白い沈丁花が満開だ。しかし、白い沈丁花は赤い沈丁花のように薫ることがない。画竜点睛を欠く。池にはまるで置物のように、ゴイサギと小サギが立っている。この池に彼らの餌になるような獲物がいるとでもいうのだろうか。
 シャンテシネの横を通り、線路をくぐって、なくなったニュートーキョーの脇を抜け、数寄屋橋の交差点から教文館へ抜けて二冊の雑誌を手にし、京橋からいつものように丸善で一冊鞄に入れて、午後2時を過ぎて、よもだそば日本橋店でかき揚げうどんを食らう。10,975歩。

世界 2016年 04 月号 [雑誌]

世界 2016年 04 月号 [雑誌]

東京人 2016年 04 月号 [雑誌]

東京人 2016年 04 月号 [雑誌]

 また吉原の特集だ。前回はいつだったんだろう。少なくとも2007年には特集をやっていて、まだ大学の教授だった渡辺憲司がもちろん出ていたが、今回は「負け犬」の方の酒井順子と対談をしている。彼女も立教大社会学部観光学科卒。(立教がらみの酒井順子という人はもう一人オーラル・ヒストリー学会の人がいたはずで、この方が立教で非常勤講師をされていたことを覚えている)。 柄谷の著作はもう難しくて、開いているうちに知らず知らずに放り出すという繰り返しなのにもかかわらず、今日、保阪正康が引用していたところが妙にストンと落ちたので、丸善で探した。あとがきまで含めると543頁もあって、手にしたときにその重さで落としそうになった。まえがきを読んだだけで、あぁ、これは読み通すことはできないだろうと判断したくらいだ。