ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

外国人労働者

 自民党の考え方は「いわゆる単純労働者の受け入れについて、慎重に対応することが政府方針とされてきたが、このような考え方は取るべきではなく、移民政策と誤解されないように配慮しつつ、必要性がある分野については、個別に精査して受け入れを進めていくべき」だということだと、自民党の広報放送局であるNHKが伝えている。
 一見するとなんちゅうことのない話に見えるのだけれど、これは重大な問題をはらんでいる。実際の話、外国人研修・実習ビザもそのままになっているのだけれど、自民党の考え方は、外国人は労働につくものだけを受け入れるとしているわけで、これは「労働力」と見なしてはいるけれど、「人間」として見なしているわけではない、ということなのだ。
 研修・実習ビザで日本に来ている外国人をこの国に受け入れようとしているわけではないことはこの制度が始まってからこの方、法に反した処遇で、まさに「働かせている」実情を見たらよくわかる。それでいて、受け入れている側は、もう既にこの分野に日本人が労働者として就労するはずもなく、日本人が就労してくれる賃金を出したら、競争に堪える価格を実現することができないという。即ち、その産業に携わる日本人の生活を守るために、外国人の非常に安価な労働力が必要なものであって、それが不当だとは考えてもいない。ま、簡単にいってしまうと、奴隷労働であって、実際には研修でも実習でもない。
 こういうシステムをこのままにしておいて、良くもまぁ、「移民生活と誤解されないよう」ということがいえるものだと呆れる。つまり、移民として、人間として認識するのではなくて労働力としてのみ認識するんだといっているわけだ。人間は要らないが労働力は必要だということだ。
 天に唾するとはこのことだ。