ほぼ足りてまだ欲 その先

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Princess Grace

 いわずと知れたモナコ公国のグレース王妃にして元ハリウッド女優、グレース・ケリーのことだ。私は今まで彼女の映画は見たことがないと思っておったのです。何しろ彼女は私が生まれたときには既に17歳で、生まれ故郷のフィラデルフィアから単身、舞台俳優を夢見て、馬の目を抜くニューヨークへ出てきた。そしてハリウッドで売れ、モナコ公国のレーニエ大公と恋に落ち、結婚したのが1956年でございます。ということは私はまだ小学生低学年でございますよ。
 だから、グレース・ケリーってのはスクリーンで見た記憶がないなぁと思っておりました。しかぁ〜し!
 私が中学生の頃、テレビではヒッチコック劇場なる番組がございました。前後に出てくるヒッチコックの声は熊倉一雄が担当しておったと思います。それで知っていたヒッチコックの映画はどれもこれも怖いものばかり。「鳥」も怖い映画でしたが、「サイコ」は身の毛もよだつような怖いストーリーでございましたなぁ。アメリカって国はなんて怖い国なんだろうと、あれから「モーテル」というものは怖い、と刷り込まれてしまいました。
 そして、ドキドキ、ハラハラしたのが「裏窓」でございます。多分あの映画は時間をおいて二回見たような気がします。あの映画が1954年の製作であそこに足を折ったカメラマン役のジェームス・スチュアートの相手役がグレース・ケリーだと知ったのはつい最近のことでございます。迂闊といえば迂闊ですが、私の中では確かにかわいらしい女優だったと思うけれど、強烈な印象がありません。他の誰でも良かったような気がしてしまいます。
 後年、アルフレッド・ヒッチコックはグレース王妃に映画出演をオファーしますが、本人の意思とは別に、モナコ公国国民はそれをいやがり、断念したんだそうです。私は、コンサーバティブだといわれるかも知れませんけれど、モナコ国民の気持ちがわからんでもありません。自分が好きな人、憧れの人が映画の上だけのこととはいいながら、他の男とキスするところを見たいとは思いませぬ。