半世紀前の話です。私、国立大学に受かりませんでした、というより、受けられませんでした。なぜか？数学IIIで挫折したからです。高校三年生の時に数学を捨てました。よって、大学は私立しか受けられませんでした。高校の同級生で東京医科歯科大に受かって、今でも歯科医を開業しているのがいます。彼のお父さんに、私が大学生の時に出逢って、「うちの息子は親孝行だ、国立に行ったから」と目の前で自慢されたことがあります。その同級生は私が遊びたくて、数学を捨てた頃「一緒に真面目に勉強しようよ」といってくれたことがあります。多分、彼はそんなことは覚えちゃいないことでしょう。しかし、私は「ありがとう、俺は俺の道を行く！」と言い切って、おちゃらけ高校生に舵を切っていきました。
当時の国立大学の学費はなんと月に千円でしたから、年間1.2万円。通っていた都立高校の学費と全く同額でした。当時私が入った私立の学費は年間7万円でしたので、5-6倍したことになります。確かに彼は「親孝行」でした。
然るに今の国立大学の学費は如何です？驚きの文明国家でございます。
