ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

8月6日

 ヒロシマに原爆が落ちた日である。誰が殺したのかこれだけの人を。そして、今も続く殺しあいである。しかし、私は毎年この日にテレビでその慰霊祭を見るたびに思うことがある。このあまりの整然とした式典、胸に花のついたリボンを付けたたくさんの偉そうな人たちばかりが見える式典がとても嘘くさく見えることである。そんな花をつけてもらって得意満面にいる様な見えるおっさんたちの中にはあの戦争がどうしてそうなってしまったのか、誰がこれだけの犠牲者をあの時期に生み出した要因を抱えていたのかについて全くとんちんかんな解釈をしている人だっているわけだ。そうした式典を見ていると「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」という碑文がとてもしらじらしく聞こえてしまうのはそんな雰囲気を感じるからなのかも知れない。かつて原水爆禁止世界大会は政党をバックに分裂し、私が物心の付いたころには毎年必ずもめ事が報じられていたことを想い出す。30数ヶ国の駐日大使が出席しているけれど、駐日米国大使は参加していない。

野ざらし

 早朝のNHK BS-2の日本の話芸は三遊亭圓輔の「野ざらし」であった。この人の名前も顔も噺も初めてである。落語芸術協会所属、三代目桂三木助の弟子。70歳を超えているそうだ。三木助が死んでからすでに45年が経つ。野ざらしも落ちまでやる人はもうめったにおりませんと、いわれるとそうそう、確かに聴いた覚えがない。とはいえ、最近は覚えのあったものでもどんどん覚えがなくなっちゃうのだから、あんまりあてにはならぬ。浅草の北にかつて新町(しんちょう)という町内があったそうで、そのあたりは太鼓屋が集まっており、太鼓の皮は馬であるということが分からないとこの落ちはやったって誰にもお判りがないからと、噺の頭で説明した。だから、落ちのところではきちっと雰囲気がまとまった。あぁ、落語もなかなか大変だと思う。ここから先は私の想像だが、だから新吉原に向かう土手通りには蹴飛ばし屋があったりしたのだろうか。いまでも桜鍋屋がある。

ふじみ野市営プール

 あのプールで吸い込まれてしまって死んでしまった少女の事故については各テレビ局がヘリコプターまで飛ばして取材合戦をし、通夜、告別式を何回も生中継まで含めて放映し続けている。多分、これで一段落するんだろう。もちろん委託運営先、その孫請けのずさんな管理運営に問題があったのは確かである。
 あの日、静岡市清水区でひとりの女性が交通事故で死んだ。自転車に乗って信号待ちをしていたその女性が角を曲がってきて倒れたコンテナ・トレーラーの下敷きになって即死である。こちらの女性の死についてはその後、全く報道されたのを見たことがない。この事故の責任者は誰かといえば、倒れてしまったトレーラーの運転手だろう。しかし、この運転手の経歴経験はどうだったのか。その所属会社のドライバー管理はどうだったのか、そうした状況を生み出した背景はなんだったのか。その辺については誰も触れていない。
 プール事故では現場が市営施設であった、管理は委託だった、黙って孫請けに出していた、中には泳げないアルバイトもいた、と次々にバッシングしやすい状況が明らかになってくる。こうなるとあの孫請け会社の社長を血祭りに上げることが視聴者の正義感を満足させることになる。じゃ、あのトレーラー会社の幹部は被害者の葬儀に参列したのかどうかをも教えてくれても良いだろう。

ロジックボード

 一昨日にソフマップから箱が届いた。2週間ほど前にクリニックに持ち込んだiBook G3が送り返されてきたのだ。開けてみると電源どころではなくて、ロジックボードがいってしまったのだという。有償であった場合だとかかる4万3千円が無償で交換されて返ってきた。尤もそれが有効になったソフマップの「パーフェクト・ワランティ」にいくら掛かったのか覚えていないけれど、その保険料は充分それに相当するくらいだったのだろうと思う。HDDには全く問題がなかった様で、デスクトップにそのまま放り出してあったファイルは別段なくなることもなく、無事回収。保険というものはこの場合とても重要だということが判明したけれど、実はこれは二度目の経験。iPodはアップルケアに入っていたから無償交換できたし。今のデスクトップだけ、なんの保険にも入っていないので、ちょっと心配。
 今回送り返されてきた段ボール箱の中にはクッション材が満載だったのだけれども、それがエコプラス・ユニという名前のもので、説明を読むとトウモロコシから作ったもので、燃えるゴミで出して大丈夫というものである。噂には聞いていたが、実物を見るのはこれが初めて。知り合いのトレー屋さんのところでは愛知博の時に同じようにトウモロコシから作ったトレーを出していたと、そういえばいっていた。彼のところはこれでまた儲けているのだろうか。儲けるという気持ちを持ったことがないので、商品が売れて儲かるというのがどれほどの快感なのか、あるいはそうではない感情をもたらすものなのか、味わってみたい様な見たくない様な。ま、いずれにしても全く縁のない生活である。

今朝の朝日

  • 偽装請負のフォロー記事:松下で請負で入っていた社員が内部告発したら松下はこの社員をたったひとりの期間工として正社員採用したという。こりゃ凄いと思ったら他の社員から切り離され、隔離され、しかも直ぐに解雇通告。もちろん松下は意図的に隔離したんじゃなくて、必要があってそういう環境で仕事をしてもらったのであると回答。リストラする時に窓も電話もない部屋に隔離されていた様な話が良くあっちの会社にもこっちの会社にもあったことを想い出させる。やり方が悪辣。談合をこれだけ青天の下に晒してきた力を使って、この低賃金放置を糾弾していこう!
  • 特養で高齢者に言葉の虐待:神奈川県の社会福祉法人が運営している特養老人ホームでの90歳の利用者への虐待についてかねて家族が施設に疑いを訴えれども取り合ってもらえなかったので、テープを廻して発見。介護労働者としての質の低下が叫ばれる中、さもありなんとがっかりさせる記事である。常に語られ、意識され続けなければいけない最低限のことだから、本当に悲しい。それと直結しているとはいわないけれど、こんな低賃金で少ない人数で無理矢理やらせるシステムは、明らかに間違っているんだよ。訪問介護員も含めて、早くきちんとした姿で働ける様な環境を作らないことにはこの分野はどんどんとんでもないことになってしまいそうで心配。厚生労働省の御用学者の皆さん、本当に真剣に提言してほしい。 

長野

 どうやら田中康夫は完敗の様子である。そんなに長野県民に評価されていなかったのか。脱ダム宣言が今年の大雨で馬脚を現したのか、それとも村井仁の与党体質に長野県民は惑わされたのか。相当に低かった投票率がこれを創り出したのか、長野県民の解説が待たれる。「田中の敵連合」で勝ったってその後バラバラになっちゃうんじゃないのかな。