ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

貰っただけ

 独立行政法人物質・材料研究機構」の54歳の係長が、業者から接待や贈答品、国内旅行など8年間で計103万円相当を受けていたとして、27日に諭旨退職処分を受けた。
 機構側は「業者に対して便宜供与を図った証拠がない」として、懲戒解雇にせず、諭旨退職とし、退職金は規定の半分の額を支払う方針。< 日テレnews24 2009年8月27日 20:35 >

 この話、おかしくないかと。便宜供与をはかった証拠はないけれど、8年の長きにわたり、合計103万円分貰っていたわけだ。この係長がなんの担当者なのかわからないけれど、ただ貰っていただけで「諭旨退職」になってしまう訳ね。
三笠フーズ」から接待を受けていた職員を農水省はどう処分したんだったかなぁ。
 諭旨退職処分の理由としては倫理規定に触れるということだろう。しかし、便宜供与をはかった証拠がないと判定したのはいったい誰なんだろうか。
 そして贈り物は、ま、普通の人が聞いたらなにか見返りに美味しいことがあるだろうからお送り申し上げていたんだろうなと判断するだろう。それともお中元やお歳暮にしてはちょいと値が張りすぎていたんだろうか。
 送ったやつは誰で、貰ったやつは誰なんだ?そんな細かいこというなよ、という人が必ずいるんだろうな。
 いや、むしろこんな細かいことでありながら公にしただけでも他よりはましなんだろうか。そうかも知れないなぁ。

 毎日新聞毎日新聞 2009年8月28日茨城版)によると「空調設備などの維持・管理などを担当」していたんだそうで「業者18社から、中元や歳暮のビール券など贈答品52万円相当、酒食の接待(14万円相当)、旅行代の負担(36万円相当)などを受けたというからいつものことで別におかしいと思っていなかったということなんだろう。外部から指摘されて発覚という話だ。
 「昨年11月、業者側から情報提供があり、内部調査で問題が判明。係長は「先輩たちもそうしてきた。社会通念の範囲と思っていた」などと弁解し、辞表を提出(東京新聞2009年8月28日)」という。きっとあっちもこっちもそんなことは別になんということもないという解釈をしているんだろう。たぶん現場では「何もあんなことで仕事辞めなくたって・・・」という会話が交わされていることだろう。
 赤信号で車が来ないから渡ったら偶々そこに警官がいてこっぴどくやられたという程度の話と一緒くたにされているんだろう。そうして子どもたちが「どうせ警察沙汰なんかになりゃしない」んだからといって万引きをするというのと大して変わらんという解釈なんだろうな。そういう土壌なんだよ。

 営業で出入りしている連中はどうにかして住所を聞き出してこいと上司からいわれてお中元を贈ったり、「今晩お忙しいですかぁ・・・」なんて電話入れたりしてたんだろうなぁ。目に見えるようだ。

話を聞きに

 2ヶ月間の欠席(といっても欠席したのは2回だけ)だった保阪正康の話を聴きに行った。第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけて、列強各国のスタンス、リーダーの話。こうして比べてみるとわが国は太平洋戦争を誰がどう決断して開戦したのかを考えると結局軍人を含む官僚が踏み切ったわけで、そこには誰一人として政治家が絡んでいないということに気がつく話だった。
 ヒトラースターリンという二人の指導者は「世界制覇」を思い描いて突っ走り、様々な攻略、攻勢をかけた。しかるにわが国は・・・と考えさせられる。
 彼は8月15-16日だったかに学生を相手に話をしたんだそうだ。しかし、半分は寝ていたといっても良いだろうといった。実は彼の話を最も伝えなくてはならないのは平成生まれくらいの若者たちだろうと、私も思う。私が参加しているこのレクチャーは残念ながら私が若い方から数えられてしまうだろうという位の年齢層なのだ。今、小林よしのりや簡単に振り回し、日本の文化を醸成していくことを否定している人たちの声に簡単に乗っていってしまう若い層にどのように実態を把握するのか、ということを伝えなくてはならないのであり、保坂は「若い人に語る戦争と日本人」という本もちくまプリマー新書から出しているくらいだ。

Book 1st新宿

 この2ヶ月間満足に本屋に足を向けておらず、エコポイントで図書券が手に入るまで我慢していたのだけれど、帰りに本屋に入ってしまい、ついつい、書棚に手が伸びてしまった。

占領下日本の教訓 (朝日新書)

占領下日本の教訓 (朝日新書)

 保阪は北海道の現在の二海郡八雲町の出身で話は彼が戦後すぐにまだ国民学校に入ったときの「ミンシュシュギノコ」と黒板に書かれた文字から始まる。彼の「教訓シリーズ」も「昭和史の教訓」「東京裁判の教訓」に続いて三冊目なり。
占領下日本

占領下日本

 半藤一利、竹内修司、保阪正康松本健一の座談で語る占領下の日本である。まえがきは松本が、あとがきは竹内が書いている。雑誌「東京人」がきっかけとなった座談だそうだ。
ノモンハン事件―機密文書「検閲月報」が明かす虚実 (平凡社新書)

ノモンハン事件―機密文書「検閲月報」が明かす虚実 (平凡社新書)

 どうもここのところ「ノモンハン」を目にすることが多いと思っていたら今年はあれからちょうど70年になるのだそうだ。「検閲月報」を資料として、という副題が私の興味を引いた。
 岩波新書からはこれが出ている。
ノモンハン戦争―モンゴルと満洲国 (岩波新書)

ノモンハン戦争―モンゴルと満洲国 (岩波新書)

「東京裁判」を読む

「東京裁判」を読む

 国立公文書館で公開されるようになった東京裁判の資料を日経新聞編集委員である井上亮が半藤一利保阪正康の協力を得て一年をかけて読み込み、それについての座談である。


atプラス 01

atプラス 01

 ハテナ?なんである。これまで「at」という季刊誌があったわけで、それは15号まで出ていた。店頭で「at」と覚しき、いや、まごう事なき「at」を発見したんだけれど、その表紙には「atプラス 思想と活動」としてあって「新創刊01」だと書いてある。上野千鶴子のケアの社会学も最終回が掲載されているし、柄谷行人の「世界共和国へ」に関するノートも掲載されている。しかしこの本の中にはそれを説明している文章が見つからない。で、出版元の太田出版のサイトを見てようやくわかった。

太田出版では『atプラス』に先立って、『at』を発売していました。
『at』はオルター・トレード・ジャパンが発行体となり太田出版が発売を担当してきたものですが、その契約が終了するに伴い、太田出版が新しく発行元となり内容も一新、新創刊として『atプラス』を出版することになりました。

 そういうことなんだそうだ。相変わらず季刊誌であることに変わりはないそうで、次号は11月。

バターナッツ

 もう方々に貼り付けてしまう。こんなかぼちゃが世の中に存在しただなんて、意外というか、びっくりというのか、世の中広いなぁというか、知らないことばっかりだというか、恐れ入谷の鬼子母神である。私の友人曰く、おもちゃ?マラカス?→マラカスにしたら腱鞘炎になりそうである。
 焼いても煮ても、そしてスープにしてもおいしいのだそうだけれど、こっちはまだ試していない。

ワッサー

 さて、お次はこちら。これはいったい何だろうかと、取り出してみる。一見桃。でも皮の雰囲気なんて見るとなんだかネクタリンみたいでもある。
ネクタリンはちょと酸っぱいので、私は割と苦手である。元々果物なんてものはそんなに甘いわけがないのであって、甘いのは日本人がめったやたらと改良を加えちゃって甘くしちゃったんであって、外国に行って同じ果物を食べると原種に近いらしくて、日本人から見ると堅くて酸っぱいものが多い。リンゴしかり、イチゴしかり、である。これは人工的に配合して作ったのではないらしくて、自然にできたものを育てて広がっているらしい。あくまでも「らしい」。桃とネクタリンでできたものなんだそうで、これが偶々私が買ったこれ一つが大当たりだったのか、味が濃くて甘くて、旨い。なんだ、結局甘いものが良いんだな、ということになるけれど。これはあたりだった。

神戸人脈

 例の神戸人脈の一人、労働基準法に違反して「派遣」をしていた(今や経団連自民党公明党が労働者派遣法改悪を実現してしまったから合法となっている)人材派遣のパソナの創業者にしてグループ代表の南部靖之はこれまで「特別顧問」で「アドバイザリーボード」のメンバーだった「あの」竹中平蔵を取締役会長に就任させたのだそうだ。
 このニュースに兜町パソナ買いに走ったとある。「フリーターこそが終身雇用だ」なんて大嘘を喧伝する企業にとって竹中は願ってもない支援者ということか。どこまでの鉄面皮か。

 竹中がらみでいえば、日本郵政の会長に、すでに社外取締役に就任していた元三菱重工業の社長、会長だった西岡喬の就任を決めたのだそうだ。確かに社外の人間には違いないけれど、すでに取締役に就任していた人間を格上げしたことにしかならないと私は思うが、彼らはそうは思わないらしい。しかも西岡は経団連の副会長だった。やっぱり仲良し利権組はなかなか手放しはしないということか。なんだか大日本帝国憲法を戦後改憲しなくてはならないとなった時のおざなり第一次案を作ったときの、ぬる〜い状況を彷彿とさせる。

保釈制度は必要か

 元NOVAの猿橋望は一審で3年半の実刑判決を食らっている。それでも6000万円を保釈金として納入して保釈された。30万人の人間にこれだけの影響を及ぼしてきたことが明確な人間が金を出しさえすれば保釈されて、娑婆に戻ってきて悠々としているのかと思うと悔しくてしょうがない。逃亡、証拠隠滅の恐れが本当にないのかどうか、私は知らないけれど、とにかくあの男がのうのうとうまい飯を食ったりしているのかと思うと許し難くて気に入らない。
 彼の商法は効率のとても悪い、しかし、その気にはさせる語学センターを仕組み、前納金にして必ずコストのかからない期間切れになるような設定で、ただ単なる企業の倒産ではなくて、むしろ一種の詐欺商法だといっても良いくらいだ。
 そんな人間を金さえ積めば娑婆に出してしまうのはやっぱりこれはおかしい。