ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

 ハーバード大学の学長が韓国の驚異的な経済成長を表現するのに、ソウルの未成年年齢の売春婦の数が70年代には100万人もいたのに今は全くいなくなった、という表現をしたという。
これに対して大韓民国保健福祉部のキム長官が「遺憾であり、率直に言って不快だ。彼が著名な学者であるため、もっと胸が痛む」とし、「韓国の経済的成功を説明しようとしたとはいえ、失言であり、彼が有名なハーバード大学の学長であるなら、全く妥当性がない売春婦数ではなく、GNPなどの経済指標を用いるべきだった」と指摘した。

また「サマーズ学長の失言は学問的な厳密さに背くのはもちろん、礼儀を欠いた言行であり、彼が礼儀を理解するのなら明らかに謝罪すべきことだ」とし、「米国指導層の韓国認識がこの程度かと思うといい気がしない」と付け加えた。
http://japanese.joins.com/html/2004/0711/20040711220441400.html
韓国中央日報2004.07.11 22:04
福祉部長官、ハーバード大学長の「売春婦発言」批判

 こういう話を目にすると、じゃ、アメリカという国には売春婦はいないのか?韓国では景気が悪くなると売春婦の数が増えるというデーターがこれまでに存在しているのか、それも低年齢の、という事になりそうである。多分そんなデーターはその辺に落ちていたりはしないぞ。

 逆に「米国指導層の韓国認識がこの程度か」という抗議は多分米国では理解されない。
ひょっとするとこのハーバード大学の学長が韓国についてだけでなく、東アジア、東南アジアの各国に対してその程度の認識しか持っていない可能性は大きいだろう。
わたしたちは自分の国の事をとても発達していると思っているし、他国のひと、特に米国の人たちは、これだけの同盟国であるわれわれの事をよく見ているものだと誤解しやすいものだけれども、興味のない人は平気で昔自分が入手した情報のままで、そこに留まってしまっているという可能性はとても高い。

 1980年なので、なんと20年前の話である。
米国のユタ州、ソルト・レイク・シティーに2.5ヶ月滞在していた事がある。
米国の地方都市には良くある、小さなFMのトーキング・ステーションに(もちろん生放送)出演した事がある。当時、私と一緒に行った会社の同僚と二人で出演したのだが、パーソナリティーはかつて日本に行っていた事があるという。*1 彼は、日本を知らないだろう聴取者のために、こんな質問をした。
「ところで、日本では冬になると多くのひとがマスクをしていたりするでしょ?あれって、空気がポルーションで汚いからでしょ?」って。
オイオイ、そんなところだったらもう生きている奴いないだろ?!ってびっくり。
「いや、あれは風邪をひいた奴が、人に風邪をうつしちゃならないというんでしているんだぜ。
ま、あれしていると冷たい空気を吸わなくていい、というのもあるんだけど」と説明。
この辺でちょっと危ないなぁとは思った。
で、日本ってどうよ、というような番組になった。
コンビニだって例の7-11だって当時日本にはすでに開店していたし、もちろんそれまで六本木のハンバーガー・インでしか食べた事のなかったハンバーガーだって銀座にその一号店が開店したマクドナルドや、KFC*2やら、ほとんど米国発信のそうしたファスト・フードもあったし、君たちが思っているよりも数段、アメリカナイズされちゃっているわけだよ、という話をした。
そのうち、「それでは聴取者の皆様からの質問を電話で受けましょう!」となった。
全然、電話はかかってこない。
ま、そんなトーク・ステーションにダイヤルをあわせている聴取者も少ないだろうけれど、平日の昼間じゃ、かかっちゃ来ないよね。
ところが、ようやくかかってきた電話の主がこういったんだ。
「そんなにアメリカに近い社会ができあがっているんなら、君たちの国もアメリカのひとつの州になればいいじゃないか」ってんだね。
一瞬、冗談で言っているのか、あるいは非常に強い偏見の持ち主なのかなと警戒したりしたんだけれど、どうやらごくごく普通の人らしいんだよね。
アメリカのひとつの州になることが幸せをもたらす、という考え方って、今のこの時代でも平気でそう思っている人がいるだろうことは想像に難くないなぁ・・・。

*1:もちろんソルト・レイク・シティーはモルモン教の総本山であり、モルモン教徒の若者はどんどん海外へ布教に出かける事になっているのでやたら外国経験者がいる。

*2:日本法人の会長さんのチョー・インスーさんって1952年の韓国生まれ。で1984年にシカゴ大学院経営大学院卒となっている。この会社は韓国資本傘下なんですか?