ほぼ足りてまだ欲 その先

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ニュー・オリンズのマルディグラ

 昨日の夜中のことである。なんの気なしにお茶を入れ、テレビをつけたらNHKのBSでニュー・オリオンズのマルディグラの番組を再放送していた。ちょっと前の番組なんだろう、2002年のマルディグラの様子であった。私はマルディグラの一日だけにフレンチクォーターでビーズをぴょんぴょんフローターから沿道の観客に投げるだけのパレードなのかとばかり思っていたら、なんと一ヶ月近くもあっちであのグループのフロートがパレードをし、今度はこっちでこっちのグループがパレードをする、という状態なんだそうだ。中でも最も華やかで人気があるのはRexというニュー・オリンズの上流社会が構成するグループのパレードで、これが最後の日にくり拡げられるんだそうだ。実はこのグループは地元の伝統あるお金持ちの倶楽部でメンバー・リストすら公開されていない。はっきりいってしまうと南部のプランテーションを奴隷を使って運営してきた白人社会のスノッビーな集まり。傑作なのはこのグループが最後に1000人もの参加者を集めて開催する舞踏会で、これがテレビで中継される。この舞踏会ではこの年選出されたキングとクィーンに対して出席者全員がうやうやしく挨拶をするところがお笑い。いかにも伝統がゼロの状態から始まった早い者勝ちの乱暴者社会が欲しくて欲しくてたまらなかった、「選ばれたものたちだけの限定で、しかもどうやっても後からやってきた奴らが参入できない社会」へのあこがれがぷんぷん臭う。そういえばアメリカの車の名前には良くリミッテッド・バージョンというのが就いていた時代もあったっけ。アメリカの金持ちがここにいる、という感じを思う存分見させてもらったのであった。
 ところで、このマルディグラシドニーではゲイとレズビアンのパレードとなっている点が笑える。これはたった一晩のパレードだけれども、テレビの中継もあるし、オックスフォード・ストリート沿道のビルの屋上から、どんどん花火も打ち上げられる。ビーズ投げはないけれどね。でも、あんなビーズをフローターから投げてもらって、家に持って帰ってどうするんだろう?あれをどこかに持っていくとそれが寄付に置き換えられて結果として富の再分配になる、ってくらいのアイディアを出しても良さそうだけれど、どうなのかね、Rexメンバーの皆さん!?