ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

どうみても

 アスベスト被害の実態がどんどん広がって見えてくる。船舶の防熱にもずいぶん使われていたことが伝えられている。私も造船所で働いていたことがあるから気になる。29年前に既に指摘されていた危険性を真摯にとらえることなく、しかも今現在在庫として既に製品となっているものについての販売は禁じられていないと聞いて驚く。行政のあまりの動きの遅さに驚く。
 驚きはこれだけにとどまらない。

西博義副大臣は「家族や近隣住民の被害に気が付かなかった。労働、厚生、環境の(縦割り)行政の谷間にあった。事実を分かりながらフォローできなかったことは取り返しがつかない。決定的な、私どもの省庁の失敗だったと個人的に思う」と述べた。(「東京新聞」

これが驚くべき謙虚さ、正直さであって、もっともっと大きく取り上げ賞賛されるべきである。
 しかるに、

戸苅利和事務次官は21日の記者会見で「当時として可能な限り必要な対策を取ってきており、失敗ではない」との認識を明らかにした。「関係省庁間の連携に問題がなかったかどうか見極めないといけない」とも述べ、問題は“連携ミス”と示唆するような発言もした。(「日経新聞」

と報じられている。馬鹿な次官だ。せっかくの厚生労働省のイメージ作り直しの大チャンスだったにもかかわらず、全くこれまでの頑迷な霞ヶ関そのものに終始している。偏差値だけで生きてきた頭でっかち、人間性を失いつづける人間を演じ続ける。これで厚労省の面子を保ったとして、挙げ句の果てにどこかの特殊法人天下り、最後はちょいとした勲章でも手に入れて、悠々自適に人生を暮らすのかと思うと、アスベストで人生を棒に振った人は浮かばれない。もちろん企業はその賠償にこれ努めなくてはならないが、それを指導する常に権力を行使してきたものはそれだけの責任を負う責務がある。多分忘れているのだろうからいっておくが「君は「公僕」という立場に立つことを忘れるな」といってもどうせとぼけるだろうけれど。