ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

単純な直感

 国連安全保障理事会常任理事国に関する提案合戦はなんだかいろいろなことが起きているだけではなくて、情報源も様々なところで様々な方向性に向かって発信されているように私には見えて、いったいどうなっているのか把握していない。だけれども日本が国際社会の中でより認識を得ようとする動きに中国が賛同するとはとうてい思えない。アジアにおける盟主は中国なんだという主張を当然するだろう。それでなくても現時点での国の勢いというものが全然違う。バブル以降低迷に次ぐ低迷でますますその国際的地位を喪失する日本と如何に貧富の差の拡大がますます広がっているとはいえ、経済的な勢いをこれまで以上に得ようとする上昇期の国の勢いはいつの時代でも誰もとめられない。
 私たちの国も一頃は「ノーと言える日本」とか「ジャパン・アズ・ナンバー・ワン」なんていっていた時には誰もその勢いを止めることはできなかったし、むしろ褒め殺しじゃないけれど、周りがあまりにもヨイショヨイショするものだから、国力だけはとんでもなく強くなっているといわれてもウサギ小屋のような所に相変わらず暮らしているのはなんだかおかしいなぁと思いながらも、その気になっていいたい放題、やりたい放題だった。その挙げ句の果てのていたらくなんだから、私の好きな「盛者必衰」そのものである(運命論者ではなかったはずなんだが)。だから、中国が日本の主張に横やりを入れてくるのを批判しても、なんだか天に唾するようなものであると理解するのもはずれてはいない。
 もちろん人間なんていつの世も、洋の東西を問わずにいつでも自分が中心にあることを願っており、自分が積極的に取り上げられないと不当な取り扱いだといってクレームをする。ブログを淡々と書きながらも心の底では誰かがコメントを書いてくれないかな、と思っているのと通じるところもあるような気がする。表面的にはもちろん、「国際社会に大いなる貢献をしたい、そうした役割を得てそれを果たすのが私たちの使命である」とか何とかという理由をつけるわけだけれども、本当のことをいうと、本音をいうとやっぱりその根底に流れているのは一種の覇権思想であり、もっとありていにいうとめだちたい名誉欲だろう。お金で買ってでもどこかの博士号のdiplomaを額に入れて持っていたいとする気持ちと大差ない。勲章をもらいたくてしょうがないどこかの業界のおっさんとかわらない。どうせ背伸びをするのなら国の中で背伸びをすればよいのに。そんなことに金を使うなら市民社会にその責任を押しつけずに政府がすべての責任を徹底的に果たしていただきたい。
 今度の中国人民元の切り上げは日本にインフレを招く起爆剤になってしまうのか。あるいは日本がめぐりめぐってより内向する結果に繋がるのか。なんだかバブルの時の日本そのものという状況が中国に加速されるのか。