今年は日本が南極観測を初めて50周年になるのだそうだ。「宗谷」が晴海を出航したのが50年前の11月だという。それは私が小学校三年生での時だろうと思う。横浜の今はなきある工場で「宗谷」を生まれて初めて見たのがその出航前だったのか、あるいはソ連の「オビ」号に助けられて帰ってきてからのことだったのかは判然としない。一昨日の話ではないが、「日本からブラジルに移民した人たちがいたとは知らなかった」今の学生さんたちは「オビ」号が何を意味するか知らないかもしれない。氷に閉じこめられた「宗谷」を助け出してくれたのだった。そのお返しを後年「宗谷」の後継船が果たすことになる。今年は記念の行事がいくつか開かれるのだそうだ。私の実家にはこの船の写真が未だに飾られている。
