ほぼ足りてまだ欲 その先

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落語の愉しみ方

 今週の火曜日だったか、ラジオ深夜便に三宮麻由子という人が出てきて落語の話をしておられた。なんだか声がとってもお若い方で、その上とても落語に造詣が深い様子。若い時から落語がご自分の周りにあふれていたようなお話だった。ちょろっと捜したらご自分のサイトがあって、エッセイストなんだそうである。なんでも高校の時にユタ州、ソルト・レイク・シティのそばの街に行っておられたことがあるというお話でもあった。ところがプロフィールを見て驚いた。彼女は4歳の時に失明をしておられるという。私はこのラジオを途中から聞き始めたので、そんな状況を全く知らずに聞いていた。だから彼女が噺家の師匠のところに行って実際噺家が話の最中にどんな所作をしているのかを教えて貰ったという話をしていた時にも別段だからどうしたっていうんだろうね、と思いながら聞いていた。今になってあの話を想い出すと、なるほど、そうそう、そりゃ意味が大ありだと理解できる。NHK出版から「福耳落語」という本をお出しになったのだそうだ。こちらにご本人の声も聞くことのできるインタビュー記事がある。

福耳落語

福耳落語

 そういえば東大・先端研の福島先生は失明して、あとから聴力も失ってしまわれたのだけれど、まだラジオを聴ける時にはしょっちゅう落語を聞いていて、大きくなったら落語家になりたいなぁと思っておられたというお話をお伺いした。「私は米朝さんが大好きでした」と嬉しそうにお話になったのが忘れられない。
 先月まで土曜日朝の文化放送大竹まことの番組だった。それが4月に入って志の輔の番組になった。今朝はゲストが東ちづるだった。落語家の番組だからってそんなことはなくて当たり前だけれど、たまたまラジオをつけたら、先代の金馬が「たらちね」をやっていた。良いねぇ、朝から落語なんざ。まだ少年だった頃、この噺を聞いて(誰がやったのか記憶にないが)、その「あぁ〜ら、わがきみぃ」のところがイヤだった。なんで、どうイヤだったのか分からない。多分その演じ手がイヤらしく声に出したんだと思う。少年というのはそんな程度のことで決断してしまうのである。