ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

米国への留学生

 今朝、寝ぼけ眼でラジオを聴いていると世界の留学生統計の話をしていた。第一次資料がなんなのか知りたくて、Googleであぁでもない、こうでもないと検索していると、ぶつかったのはOECDの資料だった。OECDがこんなことまで統計として発表しているとは知らなかった。「Education at a Glance 2007」というレポートがこちらにアップされている。レポートのフルヴァージョンをダウンロードすると3.4MB程もある。その298ページ以下に高等教育機関における留学生統計がでている。最新データーは2005年のベースである。総留学生数は前年比5%増の273万人。独・仏・英・米で全体の50%を受け入れていて、OECD各国への留学は前年比4%増の230万人で全体の84%を占める。1975年の留学生総数61万人から比べるとこの30年で4倍以上の伸びと云うことになる。高等教育機関への留学がそれほど珍しくなくなったと云うことである。
 その273万人の留学生の内21.6%が米国に留学した。日本に留学したのは5%相当ということだから13-14万人ということになろうか。それでも米国は2000年の26.1%から5%近く減少しているのだ。この期間で受け入れが伸びたのはニュージーランドだけれど、全体数からいうと2005年に全体の3%である。米国がこれだけ減少したのはやはり9.11の影響があると分析している。
 そしてどこから留学生がでているかというと全体の48.9%がアジア地域出身者だという。それだけ自国の教育機関では満足できないのか、あるいはエスタブリッシュメントに残るルートが狭すぎるのか、本来得られない環境を求めるのだろうか。これは豪州、ギリシア、日本、韓国、ニュージーランドで顕著で、この地域の留学生の内アジアからの留学生が76%を占めている。
 中国からの留学生は豪、独、日、ニュージーランド、英、米に集中し、インドからの留学生は豪、英、米でインドからの留学生全体の87.1%にも達する。
 米国への留学生は約59万人ということになるわけだけれども、そのうちの15.7%が中国から、14.2%がインドからの留学生であり、韓国からが9.4%、日本からが7.5%となってカナダからの5.0%を超える。この資料のどこから読み取れるのか分からないのだけれど、今朝のラジオでいっていたのはこのうち日本以外は米国での留学生数が増えているにもかかわらず、日本の米国への留学生数は減少しているというのである。その原因は就職戦線での青田刈りにあるのではないかというものだった。つまり外国でのほほんと最後まで勉学に励んでいたのでは(実は勉学という点では日本にいる方が数段のほほんとしているわけだが)日本での就職戦線に大幅に立ち遅れてしまうということが大きいのではないかというのである。つまり自分の研究、あるいは学習を極めるために大学へ行くのではなくて、就職への足がかりとして大学へ行くということで、これはもう何十年も変わってはいないのだろう。特に人文科学系を勉強しているものにとっては米国に留学したからって就職に悪い影響は与えこそすれプラスには働かないだろうと思うわけだろうか。
 40年ばかり早く生まれて来ちゃったかもしれないなぁ。今だったらあれもこれもやってみたいと思うのだけれど。