ほぼ足りてまだ欲 その先

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 先日書店の棚に3年半ほど前になくなった歴史学者網野善彦の新書版を見付けた。あんまりたくさんはでていない洋泉社の新書MCの棚である。タイトルは「歴史としての戦後史学 ある歴史家の証言」となっている。最近自分の棚から網野善彦鶴見俊輔の対談を読みかかって面白い話だと思っていたから、この人の話も少し読みたいと思っていた。手にとってぱらぱらめくると、「序にかえて」が面白かった。しかし、あれ?これはどこかで見たような気がするぞと手から離して棚に戻した。うちに帰って未読本の棚を見ると、案の定ある。なんでも2000年に日本エディタースクール出版から刊行されたものを底本としている新書なんだそうである。「百姓=農民」という誤った歴史理解を考え直す、という目を見張る見解から「歴史は進歩する」というダーウィニズムに犯された考えを捨てよ、なんという字句に興味をそそられる。しばらくキーボードから手を離さなくてはならない。